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新卒・第二新卒のコンサル自己PRのポイントとは? 聞く力の重要性

新卒・第二新卒のみなさんは、面接で何を自己PRしていますか? 面接官は何を見ているのでしょうか。論理力、プレゼン力などいろいろありますが、若手コンサルに必要なことは「聞く力」。話す力は練習していることが多いと思いますが、「聞く力」を練習したことはないのでは?

執筆者:大石 哲之

<目次>

新卒・第二新卒のコンサル自己PRのポイント

新卒・第二新卒のコンサル自己PR

新卒・第二新卒のコンサル自己PR

職業柄、私も多くの方のいわゆる職務経歴書に目を通すことが多いです。新卒のエントリーシートから、若手1~3年目の方、はたまた10年以上勤めている方、さらにはコンサルティング会社のパートナー級まで、下は22歳から上は50歳まで、本当にいろいろな年代の方のレジュメを見ています。

その中で、最近ふと目に留まったレジュメがありました。自己PRの欄に、とてもいいことが書いてあったのです。そもそも皆さん、自己PRって何を書いていますか?皆さん面接ではどのような力をアピールしていますか?特に新卒の人、もしくは、1~3年目のいわゆる第二新卒という方。

「プレゼン力があります」「チームをまとめます」といったものもいいかもしれませんが、新卒や実務経験の浅い方だと、「それ本当?」と突っ込みたくなるのも面接官の性分です。あまり大げさなことを書いていても実を伴わないとかえってイメージがよろしくなることもあります。

私が目に留まったレジュメですが、まだ1~3年目の若手で第二新卒の方で、このように書いてあったのです。
 

なんて書いてあったと思いますか?

さて、そのレジュメ、なんて書いてあったと思いますか?コミュニケーション能力?それだとちょっと抽象的ですね。やる気、体力?それもありきたり。実は、こうかいてありました。

「私の最大の強みは聞く力です」

聞く力!です。なるほど、と思いました。聞く力、というのは、この方は次のようなものだと自分なりに定義してエピソードを交えてアピールしていました。
  • 相手の背景や、立場、声、ニュアンスなどの言葉には出てこない部分にあたまをめぐらせる。相手がどうしてその考えにいたったのかを想像する。
  • 一方的に話を聞くのではなく、話を咀嚼した上で自分なりの仮説や解釈をぶつけて、相違点、共通点を探す=深い理解につなげる。そのための質問力。

この2点とも、うならせられました。まさに、それが大事なのです。
 

見る・喋る・聞く

「コミュニケーション力」とはなんですか?と聞くと、多くの人が「喋る」ほうの力を重点的にアピールします。もしくは「喋るスキル」=「プレゼンスキル」=「コミュニケーション力」という場合もあるでしょう。

しかし立ち止まって考えてみると、コミュニケーション力の根本は、喋ると、聞く、ではどちらが先にあるべきでしょうか?まず、聞くが最初にあるはずです。まず、相手の言うことを真摯に聞く。真摯に聞こうという態度で、真剣に聞く。それだけで、相手は、理解してもらえそうだ、という気になります。

コミュニケーションの最初の一歩はそこにあります。そして、相手の言うことに傾聴し、言っていることを正しく理解するということです。
 

若手コンサルに必要なことは「聞く」こと

若手コンサルタントを育成するときに、私が一番ポイントとしてあげるのがこの「聞く力」です。若手に一番大切な能力がこの「聞く力」なのです。

たとえば業務ヒアリングにしても、問題点の洗い出しにしても、お客さんのいっていること、お客さんが問題と思っていることを、しっかり聞いてくることができ、それを議事録なり文章に落とすことができれば合格です。これができれば、上司から見て「つかえる新人」と見られます。

お客さんヒアリングにいってを聞いてメモをまとめることができれば、新人コンサルタントの最初のハードルはクリアなのです。自分の意見があるに越したことはありませんが、分けの分からない意見を述べて事実が分からなくなるより、しっかりと事実を拾ってくることができる(聞いてくることができる)人は、信用されるのです。
 

聞く力を鍛える

聞く力を鍛えることのメリットは絶大です。自然と「問題点はどこにあるか」「何が本質的な問題か」ということに対する材料があつまってくることになります。その上で自分の仮説なり意見を述べることができて、初めてしっかりとしたコミュニケーションになるというのものです。

聞くということの利点はそれだけではありません。本当にしっかりと「聞く」ことが出来れば、お客さんの信頼がぐっと増すのです。お客さんは、普段は組織のしがらみなどで、問題点などをうすうす感じつつも外にはいえない方が多いものです。そのようなところを真摯に聞くということは、お客さん信頼度が抜群にあがるのです。

「これほど、我々の会社について聞いてくれたひとは初めてだ」
「○○さんに話して、すごくすっきりした」
「○○さんと話していたら、問題が整理されてきた気がする」

これらの言葉は実際にお客さんからもらった言葉ですが、いずれも「聞く」ということに徹した結果です。
 

面接でもぜひ聞く力を

面接でも、まずは面接官の言っていることをしっかり理解することも大切です。こんな事例があります。

あるMBA卒の方でとてもロジカルで話し振りも力強い方がいて、このかたは大丈夫だろうと面接をうけていただいたのですが、あえなく1次面接で敗退だったのです。その不合格の理由を聞いてみると、

「とてもロジカルで力強い(私の印象そのままです)人なのですが、コンサルタントの基本である人の話に傾聴する姿勢がなかった」

というのです。これには私もなるほどと思いました。もちろんこの方は、フィードバックコメントをもとに聞く姿勢を身に着けていただき、無事コンサルタント会社に転職することができました。

この記事を読んだみなさんは「聞く力」というキーワードをあたまに入れてほしいとおもいます。話す力は練習していることが多いと思いますが、「聞く力」を意識して練習したことはないのではないでしょうか?今後、日々の生活、仕事で、意識することで、「聞く力」を伸ばして欲しいと思います。

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