女性の転職/女性の再就職・職場復帰

女性の平均年収は、300万円以下?!(2ページ目)

女性の社会進出も目覚ましい今日この頃ですが、平成19年度の「男女共同参画白書」によると、非正規で働く人増加しており、女性の平均収入も300万円に達していないことがわかりました。

執筆者:川崎 あゆみ

希望と現実のギャップ

「本当は正社員を探しているのだけど、なかなかねえ…」と嘆く人は多く、「残業なしのフルタイム」を希望する人はさらにハードルが高くなります。
女性の場合は、結婚・出産や子どもの年齢によって、希望する働き方・可能な働き方が変わってきます。

子どもが小さな間は、外に出て働きたくないという人も多いのですが、子どもが中学生以上では、9割以上の人が働くことを希望しています。「子どもに手がかからなくなったら仕事を」と考える人が多いようですね。

また、子どもが小さいうちは、パートや派遣などで働き、子どもの年齢があがるとともにフルタイムで働きたいという人が増えます。しかしこれはあくまでも「希望」であって、実際は、仕事をしていない人が多く、働いている人もパート・アルバイトの人がほとんどであるのが実情です。

圧倒的に非正規雇用が多い女性

正社員で働く女性の割合は約3割で、この数字は昭和60年以降、ほぼ変化がありません。しかしパート・アルバイトで働く人は、男女ともに増えており、平成20年には、53.5%と過半数を上回る結果になっています。

さらに派遣で働く人の数は、昨年より7万人の増加で140万人になっています。

女性の半数以上が、収入300万円以下

職場も忙しく、自分も働けるのに、扶養枠内に収めるために時間を超えては働かないという人も。
非正規という就業形骸で働く女性が非常に多い中、女性が得る平均給与についてみてみましょう。

1年間勤務した給与所得者の給与水準によると、給与額が「300万円以下」の人は、女性は66.0%(男性は、21.2%)、「700万円超」は、女性は、3.1%(男性は22.1%)という結果になっています。

パートや派遣を含む短時間労働という働き方をし、収入が103万円を超えないように調整している人も多く、平均を下げている要因のつになっています。 また、たとえ正社員でも、役職や残業時間、勤続年数により、男女差が生じており、概して女性の給与額は低いという結果になっています。
国税庁「民間給与実態統計調査」(平成19年度)

ちなみにに平成19年度の平均給与は、全国平均が437万円。男性が542万円、女性が271万円です。

国税庁「民間給与実態統計調査」、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(平成19年度)



今回は、女性と仕事を取り巻く数字を見てみましたが、仕事を持つ女性の全体的な数は減少しているにもかかわらず、共働き世帯は増えているということを非常に興味深いと感じました。

派遣で働く人が、前年より7万人も増えていますが、派遣を受け入れる側の調査結果によると、派遣を使ったことのメリットとして、「人件費の総額を削減できた 78.3%」「正社員の数を減らすことができた 62.7%」と件費削減効果を挙げるところが非常に多いのがわかります。

正社員を減らしたことで、逆にリストラなどにあわなかった正社員に負担がかかっているということも数字に出ています。なんとか、うまくバランスが取れる施策はとられないものでしょうか…。
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