ジョギング・マラソン/ランニングシューズ、ウェア、グッズ紹介・選び方

ランニングシューズ4「アシックス」

世界のランニングシューズをリードしてきたアシックスの、意欲的初心者向け長距離用レースシューズはどれ? ニューモデルの「DSトレーナー」を中心に、「ゲルフェザー」「ゲルエクセル」を紹介します。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

メダル獲りのシューズ技術を初心者モデルに活かす

DSトレーナー
DSトレーナーのカラーバリエーション。明るい色+黒で締めるというカラーコンセプトらしい
世界に冠たるアシックス。その創立者である鬼塚喜八郎氏が、先般2007年9月にお亡くなりになりました……。合掌。

1961年に阿べべ選手が毎日マラソンで来日したときにアシックスで優勝。アシックスのシューズを履いてメダルを取った日本選手は数知れず(陸上だけではありません)。アシックスにはスポーツシューズ作りの名人がいて、数々のメダル獲得に貢献していることは折りに付け報じられていますが、そうした機会に培われた先端技術が市販モデルに反映されるわけです。日本代表選手のようには走れなくても、その姉妹モデルを履けるというそのあたりが楽しいわけです。

今回は、10kmぐらいならけっこう颯爽と走れるようになった初心者が初めての10kmレースチャレンジ時におすすめのモデルということなので、多少の安全性を犠牲にしても1グラムでも軽量化を図ろうという、エリート向けモデルに適用される技術はやや控えめです。それでも、あれやこれやと工夫されていることはもちろんです。

飛んでるDSトレーナー

ゲルフェザー
ゲルフェザー
DSトレーナー
DSトレーナー
ゲルエクセル
ゲルエクセル
メーカー広報室がご推薦のモデルはDSトレーナー。そしてその前後に位置付けられるフェザーとエクセルです。3モデルとも重さは重量はそれほど変わらないようです。

見た目の印象は、フェザーは実にシンプルな色使いで、軽快感があります。体も軽くなる? フェザーがホワイト基調の比較的オーソドックスなカラーであるのに比べて、DSトレーナーは、飛んでますね。フロントのアッパーなど完全左右非対称。黒と黄色なんて蹴られると痛そうな配色。やや突っ張り系でしょうか。シューズで自己主張したいというランナーに支持されそう。 エクセルは、エルドラドの黄金伝説! このシューズを履いたらウエアもゴージャスでなければバランスがとれません。シューズは高くないんですけどね。レースデビューにはうってつけの履きたいカラーです。

左は左、右は右と割り切った?

DSトレーナーのトップ部のアッパー
DSトレーナーのトップ部のアッパー。見事に左右非対称
DSをちょっと上から見てください。どう見たって左右を間違えることがない左右非対称。足だって非対称なんですから、当たり前といわれればその通りです。これはちょっと面白い。アッパーの左右がかなりトゥートップのほうまで分かれていて、プロテクター(先フロント部写真の黒い部分)が親指部分へ行く前にプツリと途切れています。このため親指は硬いプロテクターではなくメッシュ生地が受け止めます。これでなにかとシューズにあたって痛めがちな親指の爪を傷めずに、かつ指先をソフトにバンデージしてフィット性をアップしています。

バイオモルフィックでフィット感を一気にアップ

バイオモルフィック
通常のバイオモルフィック
指で伸ばしたバイオモルフィック
シューズの内側から指で押してみた。こんな具合に伸びる
DSトレーナーの後ろ姿
DSトレーナーの後ろ姿
次に両サイドを見てください。外側はやや前方、内側は中足部付近の黄色いベルト、これはメッシュ素材ではありません。ストレッチ性に富んだ薄い不撚繊維です。外側がやや前方についているのは、アッパーが足の屈曲を邪魔しないように、内側中足部についているのは足との密着性を高めるため。足の動きによってシューズの形は歪むわけですが、自在に伸縮してその歪みを吸収しフィット性を維持します。この構造はBIOMORFIC(バイオモルフィック)とネーミングされています。

ヒールカップも良好で、このあたりはさすがに日本人の足を知り尽くしているということでしょうか。

次ページではソールを検討してみます。
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