自動車保険/自動車保険関連情報

時価以上の修理代を求められたら?

追突事故を起して相手の修理代金が時価を超えてしまった!保険会社は時価以上は支払えないと言われ、事故の相手には時価と修理代金の差額負担を求められた。こうした場合自動車保険では対応できないのでしょうか?

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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対物賠償保険金の支払いは時価が基本であることを覚えておこう
<事例>
先日追突事故を起こした主婦のTさんは困っていた。追突した相手にケガがなかったのは幸いだったがクルマの修理代が30万円かかるとのことだった。

Tさんはもちろん加入している自動車保険を使う予定でいるが、相手のクルマの時価は10万円程度。保険会社の担当者曰く、Tさんの対物賠償保険からは時価である10万円しか支払うことができないということだった。

ところが相手はこれを不服としてTさんに差額の支払いを求めてきた。保険会社からは応じる必要はないとは言われたものの人の良いTさんははっきり断ることができない。

すったもんだの挙句解決まで数ヶ月。当初大きな事故にならずにほっとしていたTさんだったがほとほと疲れてしまった…。

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何故支払われないのか?


さて今回は修理代が時価を越えてしまった場合の損害賠償に関する事例です。

基本的には損害賠償は現状復旧ということなので、修理代がいくらだろうと現在の時価を越えてしまうと時価額を限度にしか保険金も支払われません。

事例のようなケースはある程度年数の経っているクルマの場合にはありがちなのですが、時価が下がってしまっている場合、修理代金が時価を超えてしまうことがあります。

JR西日本の列車脱線事故で事故現場のマンションに住んでいる住人の方が修理費用だけでなく購入価格等での買い取りを要求して色々論議を呼んでいるようですがこれも似たような話です。

一般的には現在の時価で賠償すればいいのですが、古くても気に入っているクルマなので
修理して乗り続けたいという人もいると思います。

自動車保険での対応

それではこうした場合に自動車保険で対処することはできるのでしょうか?

保険会社などによって名称は異なっていますが、「対物全損特約」「対物超過修理費用特約」などの特約が発売されはじめています。

一定の制限(一般的に50万円以下が多い)はあるものの修理代が時価を上回った場合に差額部分に過失割合に応じた額を支払いますので、こうした特約がついていると相手と揉めることが少なくなります。

法的な側面を考えると相手に必要以上に賠償することはないと考えるのか、大きな保険料負担でなければなるべくトラブルのないように自動車保険の補償を組むのかは考え方次第ですが、こうした特約が発売され始めていることは是非知っておいてください。

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