自動車保険

子供が結婚して別世帯に 自動車保険はそのまま?

結婚して親元を離れる子と親の自動車保険の手続きについて紹介します。ポイントは同居中から始めること!別居してからでは遅いですよ。

執筆者:柳澤 美由紀

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結婚後も子が車を乗り続けるなら、親元を離れる前に自動車保険の手続きをするのが吉。同居中に適切な状態に見直しておかないと、実家の車を運転したときに起こした事故が保険金の支払い対象外になるおそれがあります。
 

運転者家族限定特約のつけっぱなしはNG

家族とクルマ

家族と車は深い関係。安心して乗り続けたい

親にとってわが子はいくつになっても子供です。結婚して別世帯となっても、社会人として一人暮らしをするようになっても、親にとって子であることに違いはありません。しかし、自動車保険における「家族」の定義は実際と少し違っています。
 

<自動車保険上の家族とは>
  1. 記名被保険者(主にその車を運転する人)
  2. 記名被保険者の配偶者
  3. 記名被保険者または配偶者の同居の親族
  4. 記名被保険者または配偶者の別居の未婚の子

自動車保険では、結婚して親元を離れた子は「別居の既婚の子」となるため、家族とみなされないのです。
自動車保険の「家族」の範囲

図表1:自動車保険の「家族」の範囲 *ガイド作成


「運転者家族限定特約」や「運転者本人限定特約」「運転者本人・配偶者限定特約」を付けている自動車保険は多いですが、結婚後も実家の車を使う可能性があるのなら、この特約は取り外すべきです。うっかりつけっぱなしにしていると、帰省中の娘・息子が運転中に事故を起こしても、保険金が支払われないことになります。

たまにしか乗らないから大丈夫だろうと思っている人も多いかもしれません。しかし、ガイドは以前、実家の車を運転中に物損事故を起こしたことがあります。お恥ずかしい話ですが、結婚から10年近く経った頃、たまたま私が実家の車を運転していたときに事故を起こしてしまったのです。相手の車も実家の車も十数万円の修理費が発生しました。

実家の自動車保険は、私が結婚したのを機に運転者家族限定特約を外していたので全額カバーできました。しかし、保険が使えないと、相手と実家の車の修理費を全額自己負担することになるばかりか、事故の相手(または相手の保険会社)と直接示談交渉することになります。親が適切に保険を見直してくれていたことに、心から感謝しました。

ガイドのように、普段実家の車を運転することはないのに、たまたま運転したときに事故を起こすことはあります。結婚で親元を離れるお子さんが実家の車をまったく運転しないのであればいいのですが、少しでも運転する可能性があるなら「運転者家族限定特約」等は取り外しましょう。
 

結婚した娘・息子は「年齢条件」から外せます

一方、現在の保険契約が結婚する子の年齢で条件設定している場合は、その子を抜きにした年齢条件に変更することで保険料を下げられることがあります。

年齢条件が適用されるのは「(1)記名被保険者」「(2)配偶者」「(3)記名被保険者またはその配偶者の同居の親族」の(1)~(3)に該当する人だけだからです。別居の既婚の子はもちろん、別居の未婚の子や上記以外の親族、友人・知人に関しては年齢条件が適用になりません。年齢条件を30歳以上補償にしていたとして、(1)~(3)以外の運転免許保有者が運転した事故であれば、年齢にかかわらず補償の対象になります。

ただ、前述の運転者家族限定特約等の運転者の範囲を制限する特約を付けていると、その特約によって補償の対象から外れてしまいます。子供がご結婚した後も実家の車を運転することがあるのであれば、「運転者家族限定特約等を外し、年齢条件を見直す」ことを忘れずに行ってください。
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