建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

大きな箱にシェアして住む[SHAREyaraicho](5ページ目)

東京都新宿区の住宅地に、7人が入居する「シェアハウス」が建っています。1階の作業場で住人が共同で使用する家具などを製作し、「住みこなし」を体験し実践する、今もっとも新しいコンセプトの集合住宅です。

執筆者:川畑 博哉

シェアされる設備と家具たち

 

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台所
1. 階段室の踊り場に造られた本棚は、住人が持ち寄った旅行書などをシェアする小さな図書館。反対側には共用のトイレがある。
2. 作業場の奥に、打ち合わせや語らいのためのバーカウンターがある。
3. 南側の隣地との隙間は細長い庭になっている。将来はここに露天風呂を造る計画もある。
4. 椅子はバーカウンターの下にスッキリと収められるようデザインされている。
5. 作業場の壁に設置された靴箱は製作家具の第1号。前出の本棚やバーカウンターや椅子や庭に置かれたローテーブルも、住人の隈太一さん(OK TOY)のデザイン。


この大きな箱のあちこちには、他にもシェアする場が用意されています。エントランスの作業場の階段の奥には細長いカウンターの置かれた、バーのような空間。間仕切りの反対側には、洗面所と向かい合わせにトイレ、洗濯機、バスルームが一直線状に並んでいます。これらは引戸を閉めてしまえば、白い壁にしかみえないという、すっきりとしたデザインになっています。またバーのような空間の奥は、隣地との隙間に幅1.5m、奥行き4.5mの陽の当たる中庭になっています。
シェアハウスのメリットは、敷金礼金、保証人制度が無く初期費用が安いこと。また、共用部では人との接点が自然と生まれ、個室ではプライベートを保つことができる点にあります。この[SHAREyaraicho]でも、月に一回パーティやオープンハウスなどのイベントを開き、住人の友人や地域の人々との交流を図っているそうです。これからも、この新しいスタイルの住まい方に注目です。

◆建築データと建築家プロフィール


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