梅雨時は特に気をつけたい子どもの身の回りのカビ
子どもの周辺には、思った以上にカビの存在が見え隠れしているもの。そんなカビは、私たちを不快な気持ちにさせてくる上に、健康にまで悪影響を及ぼすことがある厄介者なんです。
藤原さん(以下敬称略):「カビは、肺炎などの呼吸器疾患を引き起こす要因になることがあります。また、水虫やシラクモの原因となる白癬菌なども、すべてカビの一種です※1 。カビの中には、醤油や醸造酒などを作るために用いるコウジカビなども存在しますが、同じコウジカビでも種類によっては肺炎などを引き起こす原因となるので注意しましょう」
かわいい我が子の身の回り、どんなところにカビが生えやすいのでしょうか?
「例えばランドセルにカビが生えるのって、意外と“子育てあるある”なんですよね」と、藤原さん。聞けば、ランドセルにカビが生えるのは、決して珍しいことではないそうです。
藤原:「ランドセルの場合、かぶせ部分にビニール製カバーをかけていると、そこが蒸れてカビが生えやすくなります。背宛てや肩ひもなど、体に触れる面もじっとりと汗がつくので同じ。また、濡れたハンカチや鼻をかんだティッシュなど大人では考えづらくても子どもが中に入れたままつい放置していたら、それもまたカビの温床になりがちです。
基本的に、カビの胞子はあちこちに飛んでいるもの。無菌室でもない限り、カビの胞子をゼロにすることはできません。私たちが快適に感じる温度や湿度は、カビの成長にとっても好条件。そこにホコリなど栄養となるものがあって、そのまま放置すれば目で見ても認識できるように。そうなったときには相当量のカビの胞子が飛んでいる状態です」
ランドセル以外にも? どんなところを注意すべき?
低学年のころと違って、子どもがある程度大きくなれば、ランドセルを頻繁にチェックすることもなくなるもの。気が付けばカビが生えていた……! なんて事態にならないよう、たまには確認してみた方が良さそうですね。
藤原:「ただ、気を付けたいのはランドセルだけではありません。子どもは新陳代謝が活発なので汗をかきやすく、外で遊んで汚すことも多いので、衣類や靴にも注意が必要なんです。雨で濡れた靴をきちんと乾かさずに翌日、また履いたり、汗で濡れた体操服を1週間、学校に置きっ放しにしていたりすれば、カビは生えやすくなりますね。また、柔道着や剣道の防具のほか、リコーダーや鍵盤ハーモニカのツバがたまる部分も心配。カビをただの汚れと思う子どもも多いので、注意したいですね」
子どもは活発だから汚れやすいのはわかるけれど、赤ちゃんなら大丈夫……なんて思ってはいませんか? 実は寝ているだけの新生児でも、身の回りのものにカビが生えることはあるのだとか。
藤原:「怖い話ですが、ベビーベッドのマットレスに赤ちゃん形のカビが生えた! なんてことも。子どもが成長したため、ベビーベッドを片付けていたらカビが発覚するという今さらなケースですね。また、ベビーカーやチャイルドシートも、カバーと本体の間にカビが生えることはあります。黒い点々があっても、黒ずみかと思ってスルーされがちですが、たいていは黒カビです。また、布オムツを使っている場合は、排せつ物による汚れでさらにカビが生えやすいのでご注意ください」
このほかにも、子どもの身の回りにはカビのリスクがまだまだひそんでいると言います。
藤原:「オモチャのラッパやシリコン製の歯固めなど、ツバが残りやすいものは危険ですね。お風呂で遊ぶオモチャもカビが生えやすいですが、特に浴室の壁に貼る平仮名表などは要注意。貼ったままだと、気づいた時には裏側がカビだらけということも。私も今までに何度、驚いたことか(笑)」
子どもの持ち物に生えたカビ、どうやって落とせばいい?
では、実際にカビが生えてしまった場合、どのように落とせば良いのでしょうか?藤原さんによれば以下の方法が効果的とのこと。
- 水気を嫌うものにカビが生えた場合、消毒用エタノールを含ませた布などで拭くのが効果的。(ただ、ランドセルのような革製品に使うと変質する恐れがあるので、この場合はできるだけ熱いお湯を含ませて絞った布で拭き、しっかり乾燥させる)
- 消毒用エタノールが手に入りづらい場合、衣類が白物なら、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とするキッチン用漂白剤で、色柄物なら酸素系漂白剤で浸け置きしてから洗う。
- 干すときや洗うのが難しい場合はじっくりと日光に当てて極力カビ菌を減らしてから、乾燥機をかけて殺菌。(カビの色素は落としきれないので、気になる場合はドライクリーニングに出すのもひとつ方法です。ただし、カビの状態によっては衣類を傷めることもあるので、クリーニング屋さんに相談を)
では、お風呂のオモチャや、ベビーベッドなどの赤ちゃん用品に生えた場合はどうでしょうか?
藤原:「ここで勘違いしがちなのがお風呂用洗剤などで洗うこと、殺菌できませんし、むしろ石鹸や洗剤の残りかすはカビのエサとなってしまいますので控えた上で、以下の対応をオススメします」
- お風呂のオモチャのようなプラスチック製で水洗いできるものは、次亜塩素酸ナトリウムが主成分のキッチン用漂白剤を薄めて浸け置きし、すすいで乾かす。
- ベビーベッドやベビーカーの場合、色落ちの気にならないカバー類は次亜塩素酸ナトリウムを使った洗濯用漂白剤に浸け置きしてから洗いを。
- マットレスなどの洗えないものに生えてしまった場合、悲しいが買い替える。
- チャイルドシートも、洗えるものなら洗濯用漂白剤で浸け置き洗い。なお、真夏なら車内の温度は60〜70℃に上がるので、クルマに取り付けたまま炎天下で数時間放置しておくとカビ退治の助けになります。
空気からキレイにしたい! 家の中のカビ対策
「先ほどもお話ししたように、トイレや浴室、キッチンだけでなく、寝室やリビングに至るまで、どこであろうとカビの胞子は存在しています」と、藤原さん。
藤原:「これらは空気中にも浮遊しているので、通常の掃除に加えて空気をキレイにすることも大切。そのためにも、換気は確実に行うようにしましょう。家の中の空気は置外の空気よりキレイと思う人もいますが、高気密の室内ではそれは間違い。実際は花粉の時期や幹線道路沿いなどでない限り、窓を開けて風の通り道を作り、空気を入れ換えるようにしてください。
また“エアコンを使えば、外の空気を取り込める”と考えている人も意外に多いのですが、エアコンは室内の空気を循環させる設備。外気を取り込んでいるのではないので、やはり換気は必要です」
部屋の空気をキレイにするなら、「空気清浄機や空気清浄機能付きエアコンを利用するのもひとつの方法」と藤原さん。空気清浄機は、室内の空気を取り込んでカビの胞子などの物質を取り除き、室内へ空気を排出することができるそう。換気とあわせて、空気環境を改善する技術の進化にも注目したいですね。
もし子どもの身の回りにカビが生えてしまい、ショックを受けている人も、室内の空気をキレイにすることから予防するのはいかがでしょうか。
QUALITY AIR FOR LIFE
24時間365日、世界中のあらゆる生活シーンで空気はあなたと共にあります。パナソニックが目指しているのは、空調技術と換気技術の融合により新鮮な空質を保ち、心と身体の健康につながる快適な生活、"Quality Air for Life"を世界中の人に享受してもらうことです。これまで培ってきた総合的な技術力で健やかな暮らしをお届けしていきます。
空気をかえるナノサイズの技術
- ● 電気を帯びた水、ナノサイズの「帯電微粒子水」とは
- 「帯電微粒子水生成技術」は、空気中の目に見えない水分を集めて高電圧を加え、ナノサイズの水粒子を生み出す技術です。この水粒子は電気を帯びているため「帯電微粒子水」と呼ばれます。
- ● 様々な物質に作用しやすいOHラジカル(高反応成分)
- OHラジカルは空気中の菌※2・アレルゲン※3に含まれる水素を抜きとるという性質をもっています。このOHラジカルの数が多ければ多いほど除菌効果※3が期待できます。
-
「帯電微粒子水」が
菌に届き… -
「OHラジカル」が
菌の水素を抜き取り… -
菌の水素を水に変形、
菌を抑制します
- ※1 文部科学省『カビ対策マニュアル 基礎編』より。
- ※2 約6畳の試験室内での4時間後の効果を検証済み(実使用空間での計測結果ではありません。)
【試験機関】(一財)北里環境科学センタ−
【試験方法】約6畳の試験室内で菌を浮遊させ空気中の菌数を測定
【除菌の方法】「帯電微粒子水」発生装置を運転 【対象】浮遊した1種類の菌
【試験結果】4時間で99%以上抑制(北生発24_0301_1号) - ※3 約6畳の試験室内での8時間後(花粉)、24時間後(ダニのフン・死がい)の効果を検証済み
(実使用空間での計測結果ではありません。)
【試験機関】パナソニック(株)プロダクト解析センター
【試験方法】約6畳の試験室内で布に付着させたアレルゲンをELISA法で測定
【抑制の方法】 「帯電微粒子水」発生装置を運転 【対象】付着したアレルゲン
【試験結果】〈花粉〉8時間で88%以上抑制(BAA33-130402-F01)〈ダニのフン・死がい〉24時間で60%以上抑制(BAA33-130304-F04)。 実際の効果は、季節・周囲環境(温度・湿度)、使用時間、個人によって異なります。「帯電微粒子水」・「高濃度帯電微粒子水」はウイルス等を抑制する機能はありますが、感染予防を保証するものではありません。
監修
藤原 千秋
(ふじわら ちあき)
主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して20年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。