WTIのローカル問題に原油価格は左右されている!?
参考に、先ほどのURL時点付近のWTI以外の原油価格は以下のようになっています。中東産原油2月限 44.06ドル(09/1/19)
北海ブレント産3月限 46.57ドル(09/1/16)
WTI2月限 34.30ドル(09/1/20)
日本は輸入量が多い中東ドバイ産を指標として東京工業品取引所では原油先物価格を算出しています。油質からして最も重質で使いにくいのが中東産で安く、テキサス産のWTIは最も軽質で硫黄成分も低い為に最高級であり、その中間が北海ブレント産で欧州向けに流通している原油です。
通常WTIは他の2つの原油よりも数ドル分のプレミアムがついて高く取引されていました。08年9月には中東産よりも+14ドルも高い時がありました。この時もハリケーンによってクッシングの在庫が急激に減ったのが原因です(今の逆転現象)。ところが今はクッシングの在庫圧迫で最高級のWTIが最重質の中東産より10ドル近くも安いという極めて異常な状況です。これならWTI原油を大量に買い占めて、船賃を払ってでも中東へ運び、10ドル高い値段で売ってもお釣りがくるでしょう。
同じアメリカ産の中でもWTIと同じ軽質であるライト・ルイジアナ産は高い値段のままです。受渡がクッシングでないためでしょう。またメキシコ湾で採れる中質サワーの原油は硫黄成分が多い安物のはずですが、WTIよりも高くなるという逆転現象がみられます。
つまり、現在の原油価格はクッシング倉庫という極めてローカルな問題によって世界の原油価格は歪みが生じている状況と言えます。こう考えると原油価格は自然と他の市場の価格に収斂していくと考えるのが自然の成り行きでしょう。なお、長期的な原油価格の動向予想は別となりますが、それは次の機会にお話ししましょう。
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<おわり>
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