クレジットカードの保有者すべてが多重債務者になる?
自己破産者は2002年は21万、'03年は24万、'04年は21万と毎年20万人を超えています。自己破産をする人は特別な人と思ってしまいがちですが、クレジットカードでの分割払いだって、要は年利13%の借金をしているのと同じことです。また、カードの盗難、紛失によって不正使用されてしまった場合は保険がききますが、キャッシングに関しては全額自己負担となります。そういった意味で、クレジットカード保有者のすべてが、多重債務者になる可能性を持っているのです。 最近のカード破産者の傾向としては、不況を反映して「生活費」を得るための債務多重化が目立ちます。家庭の主婦がつくった債務が原因で、夫婦ともども自己破産をするケースが増えてきているとのこと。妻の借金を返済するために夫がさらに借金を重ねてしまうのです。さらに、ゴールドカード保持者の自己破産も増えているという報告もあります。 これはカードホールダー一人ひとりの意識が薄れていることに原因があると思われます。「その程度ならすぐに返せる」という安易な思い込みでショッピングやキャッシングをして返済日近くに急な出費が入り、そこで新たにキャッシングしてその分の穴埋めをするというように、借金を返すための借金をしてしまいます。最終的には100万円、1000万円単位の借金になってしまう例がほとんどです。
信頼できる弁護士や専門家に相談すること
それでは、多重債務に陥ってしまったらどうすればいいのでしょうか。真面目な人ほど何とか期日までに返済するためのお金を貸してくれるところならと飛びついてしまいがち。50万円から200万円程度の比較的少額な負債の場合は、弁護士に相談すれば、任意整理で解決するケースもあります。誰にも相談せず一人で何とかしようとせずに、必ず信頼できる弁護士や専門家に相談すること。その上で借金の整理をしていくしか方法はありません。その整理方法は主に2つあります。
借金の整理方法は「任意整理」と「民事調停」
まず、1つが「任意整理」です。これは裁判所を通さずに債務者が債権者(貸し手側の業者など)と交渉して、負債の再計算による借金の減額や分割返済に応じてもらう方法です。もちろん、債務者本人が交渉しても取りあってはくれないので、弁護士を通して申請することになります。弁護士が介入すれば業者などからの取り立てが制限されるため、しつこい催促の電話などがなくなります。弁護士費用は事件の難易度によって異なりますが、1件当たり2万円~3万円程度。決められた返済計画を守るために、生活費を切り詰めるのはもちろんのこと、不要な財産・所持品の処分などが求められます。 もう一つが「民事調停」です。債務者が簡易裁判所にの申し立て、裁判所に間に入ってもらって債権者と話し合いを進めていく方法です。ただし、裁判ではないため、あくまでも当事者同士の話し合いがすべて。合意に達しないと調停が成立しない、つまり不調になることもあります。
「自己破産」は最終手段
しかし、借金額が膨大で返済不可能、暴力金融などの追求が激しくて生活再建のめどが立たない、特定の債権者に取り立てられてしまうなど、国の監督なしでは一括処理が困難である場合などなど、いくら整理してもらちがあかないケースも多いようです。 そこでこうした多重債務者の最後の手段として用意された方法が「自己破産」。債務者がみずから破産を申し立てます。これが認められれば借金が帳消しになり、返済の義務がなくなります。