国際キャッシュカードは、海外での現金の引き出しに便利
「国際キャッシュカード」や「インターナショナル キャッシュカード」と呼ばれ、現地通貨を引き出せる機能の付いたカードがあります(以下、「インターナショナル キャッシュカード」と表記)。また、デビットカードやクレジットカードでも、現地通貨を調達することができます。海外ATMで現地通貨の引き出しができる便利な国際キャッシュカード
国際キャッシュカード/インターナショナル キャッシュカードとは?
「インターナショナル キャッシュカード」は、日本の銀行の円預金口座から、出張や旅行先の海外ATMで現地通貨を引き出すことができる便利なカードです。外貨預金ではなく、円預金からの引き出しで、引き出した現地通貨は日本円に換算されて、手数料とともに日本の円預金口座から引き落とされます。インターナショナル キャッシュカードは、通常発行される一般のキャッシュカードに、海外ATMの利用という機能を付けたキャッシュカードですので、国内ATMでは一般のキャッシュカードとして使うことができます。
海外では、Visaインターナショナルが運営するPLUS(プラス)などの世界的なATMネットワークを利用し、世界各地のATM・CDで現地通貨を引き出すことができます。利用できるのは、円預金口座残高の範囲内。セキュリティ上、日額の限度額が設定されているのが一般的です。
数年前まで都市銀行を中心に発行されていたインターナショナル キャッシュカードですが、都市銀行が新規の発行を中止し、サービスを終了。
またSMBC信託銀行プレスティアも2019年9月までで新規の申込みと再発行を終了(2019年9月末までに発行されたカードは2021年9月まで海外ATMで使用可能)。代わりに2019年10月より、多通貨Visaデビット一体型キャッシュカード「GLOBAL PASS®」の取扱いを開始しました。
18通貨に対応するSMBC信託銀行プレスティアの「GLOBAL PASS」
旅立つ前に現地通貨の引き出しができるようにしておくと安心
国内ATMでの円普通預金の引き出しに加えて、海外ATMでは現地通貨を引き出せます。世界200以上の国と地域のVisaまたはPLUS(プラス)マークのATMが利用可能。
マルチマネー口座の外貨普通預金は、米ドル、オーストラリアドル、ユーロ、人民元など17通貨を取り扱っており、各通貨の普通預金残高があれば、そのまま引き落し。外貨残高が不足している場合は、「外貨フルバック®」を設定していれば円普通預金からの引き落し。17通貨以外の現地通貨を引き出した場合は「外貨フルバック」の設定に関わらず、円普通預金からの引き落としです。
為替レートは、Visaが定める為替レートに海外事務手数料3%を加算したもので円換算。
ATM利用手数料は無料ですが、別途ATMオーナーが手数料を徴収する場合があります。
「GLOBAL PASS」は、キャッシュカードとデビットカードを兼ねているので、ATMでの現地通貨引き出しのみならず、買い物の際はデビットカードとして国内外で利用できます。デビットカードでの利用でも円普通預金のみならずマルチマネー口座外貨普通預金を利用できます。同様に「外貨フルバック」が使えます。
ゆうちょ銀行やソニー銀行のデビットカードで現地通貨現金を引き出し
キャッシュレス決済の手段として普及が進むデビットカード。Visaデビットカードでは、インターナショナルキャッシュカードと同様に、海外のATM・CDで現地通貨を引き出すことができます。発行する銀行の円預金の範囲内で、日本円に換算して決済されます。Visaデビットを発行しているのは、ゆうちょ銀行、ソニー銀行、スルガ銀行、あおぞら銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行など。Visaが定める為替レートに、発行金融機関が定める海外事務手数料を上乗せしたレートで円に換算します。ATMの利用手数料がかかる場合があります。
クレジットカードで現地通貨現金を引き出し
クレジットカードでは、海外キャッシングサービスを利用して、海外のATM・CDで現地通貨を引き出せます。クレジットカードの場合はカード会社からの借り入れとなります。為替レートはクレジットカード会社が定めるレートです。インターナショナルキャッシュカードやデビットカードが、自分の円預金からの引出しであり、残高の範囲内でしか利用できないのに対して、クレジットカードは借り入れなので、けっこう高い利子が付きます。年利で18%程度。ただし、翌月1回で一括返済するなら、金利は1~2%程度で済み、インターナショナルキャッシュカードやデビットカードよりもおトクになるケースもあります。
注意したいのはクレジットカードでの海外キャッシングは利用枠の設定が必要となること、希望の利用枠が設定されない場合もあることです。
海外では、お金の調達手段を複数持っていた方が安心。中国のように外国人は現金決済に頼らざる得ない地域もあります。いざというときに、インターナショナルキャッシュカード、デビットカード、クレジットカードのいずれかで現地通貨が引き出せるなら心強いですね
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