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新規参入行の行方 ネット銀行、成功?失敗?(2ページ目)

2000年以降に銀行業に新規参入した主要4行(ジャパンネット・ソニー・イーバンク・アイワイ)の今。

執筆者:大寺 由紀子

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●イーバンク銀行

イーバンク銀行は、2001年7月開業のネット専業銀行。口座数は、第3四半期末で約91万口座と順調に伸びています。2004年4-12期の第3四半期決算では、230百万円の経常黒字を確保し、ジャパンネット銀行同様、2005年3月期は開業以来初の通期黒字を見込んでいます。

ネット決済サービスに特化しており、イーバンク銀行に口座を持っている個人同士であれば、24時間決済が可能(振込手数料無料)。ジャパンネット銀行同様、24時間リアルタイム決済が可能なため、ネットオークションやネットショッピング向けの銀行です。受取人のメールアドレスを指定するだけで簡単に送金することができる「メルマネ」は、イーバンクの独自サービスの1つ。

店舗のないネット専業ならではの低コスト運営の強みを生かし、大手銀や他のネット専業銀行に比べて円定期預金の金利は高めに設定。以前は、キャッシュカードがなく口座への入出金が不便でしたが、イーバンクカードの誕生により、郵貯ATMおよびアイワイバンクATMが利用可能になり、入出金の不便さも解消。また、電子マネー「Edy」へのチャージ(入金)サービスも開始し、次世代決済ツールたる電子マネーとの提携にも積極的です。

イーバンク銀行の詳細はこちらから。


●アイワイバンク銀行

セブン-イレブンにあるATMで有名なアイワイバンク銀行。認知度もかなり高くなりました。新生銀行ユーザのガイド自身も、アイワイバンクATMはよく利用しています。アイワイバンク銀行も流通という異業種からの新規参入行ですが、他の新規参入3行とは異なり、ATM決済を主業務とするいわばATM銀行です。

2004年3月期に初の単年度黒字を達成したのに続き、2004年4-12期の第3四半期決算でも、7,087百万円の経常黒字を確保。

アイワイバンク銀行は、ネット専業銀行ほど商品やネット上でのサービスは充実していませんが、この銀行は、銀行自体に口座を持つというより、他行のキャッシュカードをアイワイバンク銀行のATMで利用するという意味で存在価値の大きい銀行と言えます。設置ATM台数も約10,000台。サービスエリアも全国各地に拡大中。ATM1台あたりの利用件数も順調に伸びており、2005年3月期の通期黒字も確実なものにしています。

アイワイバンク銀行の詳細はこちらから。


新規参入行は、開業当初は認知度も低く、業績が低迷していた時期もありますが、ネットショッピングの決済や証券取引の決済増加、コンビニATMの利用増加に伴ない、やっと軌道に乗ってきた感じです。ただし、ポータルサイト運営企業の銀行業参入や都銀等の大手銀行のネットバンキングの充実等、競争はますます激しくなるものと予想されますので、他行との差別化、オリジナリティの構築が今後のネット専業銀行・ATM決済銀行の行方を左右しそうです。
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