国際キャッシュカードは為替手数料やATM手数料に注意
国際キャッシュカードなら、海外のCD・ATMで現地通貨を引き出しできる |
事前に外貨を準備していかなくても、日本にある自分の銀行口座からの引き落としで、現地通貨を引き出せるので、便利! ただし、日本にある銀行の円預金からの引出しなので、引き出した時点の為替相場で両替が行われます。この両替のレートは、銀行ごとに違い、手数料にあたるものが上乗せされます。また、ATM手数料がかかる場合もあります。
この国際キャッシュカード、お得なのでしょうか?
現地で使うお金を用意する方法は、他にもあります。国際キャッシュカードと比較してみます。
日本での外貨両替、現地でのクレジットカード利用と比べてみると
表で比べた3つの方法は、それぞれ両替のタイミングが違うので、どの方法がお得かは、為替がどう動くかによっても違ってきます。
為替手数料の点では、現地でクレジットカードを使う方法が安くすみます。値の張る買い物やホテルの支払いにはクレジットカードを利用し、現地通貨の現金は、細かい支払いなどに使う人が多いことでしょう。その現地通貨を日本で事前に両替して用意しておくか、国際キャッシュカードを使って現地のATMで引き出すかを比較してみると……。
●旅行前に日本の銀行で外貨に両替する場合
1米ドルあたり3円の手数料は、1米ドル90円なら約3.3%。1米ドル100円なら3%。
1ユーロあたり4~6円の手数料は、1ユーロ120円なら約3.3%~5%、1ユーロ130円なら3%~4.6%。
●国際キャッシュカードを利用する場合
1米ドルあたり3~4%の手数料は、1米ドル90円なら2.7円~3.6円。1米ドル100円なら3円~4円。
1ユーロあたり3~4%の手数料は、1ユーロ120円なら3.6円~4.8円。1ユーロ130円なら3.9円~5.2円。
けっこう拮抗していますね。
国際キャッシュカードの為替手数料は、率で計算するので円高の方が安く済みます。また、為替が適用されるタイミングは、それぞれ日本で両替した時点、現地で引き出した時点とずれてきます。旅行中に円高が進めば国際キャッシュカードが有利になります。逆に円安になれば国際キャッシュカードは不利になります。
日本で外貨に両替する場合、最近、金券ショップなどが銀行よりも安い手数料で両替サービスを行っています。表に挙げた銀行の手数料よりも安く、しかも円高のときに上手に両替できるなら、日本での外貨両替も悪くありません。国際キャッシュカードの特徴は、日本の銀行口座のお金を現地で現地通貨で引きだせること。ATM網がある地域ということが条件です。
ATMを使うので、国際キャッシュカードは、ATM手数料についても考慮する必要があります。
国際キャッシュカードにより為替手数料などに違いが
現在、新規で申し込めるのは、SMBC信託銀行プレスティアと新生銀行です。以前は、都市銀行でも発行していましたが、新規の申し込みを中止しています。SMBC信託銀行プレスティアと新生銀行では、口座を開いたときに発行されるキャッシュカードに最初から国際キャッシュカードの機能がついているので、手持ちのキャッシュカードをそのまま利用できます。SMBC信託銀行プレスティアは、前月の月間平均総取引残高が50万円相当未満の場合などは、月額2000円(税抜)の口座維持手数料がかかる。新生銀行のATM引き出し手数料は、設置金融機関の使用料がかかる場合もある
SMBC信託銀行プレスティアのレートは、同行のHPで調べることができます。VISAインターナショナルのレートは、、ニュースで伝えられる為替レートが参考になります。
犯罪から預金を守るために、現地通貨の引き出しには一日あたりの限度額があります。例えば新生銀行の場合は10万円。旅行中は、この限度額を引き上げることもできます。ただし、いくらまで引きだせるかは現地のATM事情によっても異なります。
現地で使うお金を、国際キャッシュカードの引き出しだけで対応しようとすると、足りなくなるかもしれません。
海外旅行中には何が起こるかわかりませんから、お金の調達手段は複数持っていた方が安心です。国際キャッシュカードを使う場合も、クレジットカードは必ず持っていくこと。また為替の状況によっては(出発前にかなり円高で、旅行中にはそれより円安になりそうと判断したなら)、日本で現地通貨に両替し、国際キャッシュカードは現金が足りなくなったときや、イザというときに使うなど、臨機応変に考えることをおすすめします。