お金を預けると利子がもらえるのは、なぜ?
銀行に預けたお金はどこに行く? |
銀行は預かったお金を、お金が必要な人や会社に貸し出しています。住宅ローンを利用している人がいたり、銀行から仕事のためにお金を借りている会社があります。
お金を借りた人や会社は、借りたお礼として銀行に利子を払います。お金を貸した人や会社からもらう利子の一部を、銀行はお金を預けてくれた人に分けてくれます。これが預金をした人がもらえる利子です。なぜなら、お金を預けてくれる人がいないと、銀行は、お金を貸し出すことができないからです。
お金を預ける人にとっては、自分でお金を貸して利子を取る相手を探す手間が省けます。お金は自分の財布に入れたままでは増えませんが、人に貸せば利子の分を増やすことができます。ただし、お金を返してもらえないリスクがあります。この人、この会社にお金を貸しても大丈夫だろうか? ちゃんと返してくれるかな? 事前に、相手の仕事の中身や、借りたお金を使う目的、信用度についても調べなければ、安心して貸すことはできませんね。
銀行を通して人や会社にお金を貸す=預金の場合は、こういった貸出先の調査やリスクも銀行が引き受けてくれます。例えば銀行が、たくさんの人や会社にお金を貸し、その一部を返してもらえなかったとしても、預けた人に「利子を○%払います」と約束していたら、その通りの利子を払ってくれる、お金が返らなかった損は銀行がかぶるわけです。
また、万一銀行が倒産しても、預金保険制度(銀行が入る保険制度)により、ひとつの銀行につき、一人1000万円までの預金とその利子が保護されます=減らされずに返ってきます。
つまり、銀行にお金を預けるということは、銀行を通して人や会社にお金を貸すことであり、そのお礼として利子がつく。自分で貸出先を探す面倒がなく、お金が返ってこないリスクからは、銀行と預金保険制度により二重に守られているということです。
銀行預金が、安全な金融商品といわれるのは、そのためです。その分、残念ながら利子は、あまり多くはありません。
そして、貸し出し先からもらう利子と、預金者に払う利子の差額が銀行の利益になります。こんなふうに、貸し手と借り手の間に銀行が入ってお金を融通する仕組みを間接金融といいます。
銀行が世の中で果たしている役割は、大きく3つありますが、その一つが、間接金融による「金融仲介機能」です。
ちなみに、間接金融に対して直接金融と呼ばれるものがあります。
次ページで説明します。