株式の譲渡益課税
所得税は所得を10区分して、それぞれごとに課税対象額を計算します。他の所得と合計して課税対象額を計算するものを「総合課税」、他の所得とは切り離して計算するのを「分離課税」といいます。また、その収入が支払われる際に、支払者が税金を控除して支払うものを「源泉課税」、受け取った納税者が確定申告書を作成して税金を納めるものを「申告課税」といいます。
株式等の売却損益は「譲渡所得」という区分です。譲渡所得はたいへん複雑ですが、総合課税になるものと分離課税になるものがあります。そして分離課税になるものは、土地・建物等の短期譲渡所得・土地・建物等の長期譲渡所得・株式等に係る譲渡所得の3種類があるのです。
株式等に係る譲渡所得については、原則は申告分離課税であること、青色申告者でなくとも売却損の繰越控除が認められていることにご注意ください。
そして、「特定口座」制度があります。「源泉徴収あり特定口座」は申告不要となる仕組みですが、原則の申告分離課税制度による確定申告の手間を省くことができるメリットがありますので、たいへん便利であります。年間の取引内容が税務署に報告されることもありません。
源泉徴収あり特定口座においては、売却益が生じると所得税7%住民税3%が源泉徴収されます。売却損が生じた場合はすでに徴収した税額から還付されるのです。証券会社は源泉徴収により預かった税額を翌年1月に納付しますので、投資家=納税者は申告不要となるわけです。
申告不要で損をしてないか
源泉徴収あり特定口座の場合は、確かに申告不要で何もしなくても良いのです。しかし、「申告して有利になる=税金が(将来)減る・戻る」のなら、申告したほうがいいですよね。節税効果と申告の手間を秤にかけて最終判断をすればよいのです。
ずばり申告が有利になる方は次のページで確認してください。