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株式投資を考える VOL.10 ライブドアが活用した時間外取引(2ページ目)

ライブドアがニッポン放送株をめぐりフジテレビと激しく対立しているが、仕掛けたライブドアが活用した時間外取引とはどういう制度なのか、対抗する手段として持ち出した新株予約権とは。

執筆者:橋爪 修司

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フジサンケイグループの反撃手段=新株予約権とは

フジサンケイグループが繰り出した反撃手段は、「新株予約権」というものでした。ニッポン放送の取締役会は、フジテレビに大量の新株予約権を発行し、フジテレビはこれを行使してニッポン放送を完全に子会社化してしまおうという作戦です。

新株予約権は増資の一方法として認められているもので、あらかじめ決めた価格で株式を取得できる権利のこと。わが国では役員や社員に自社株を付与する「ストックオプション」などの利用に限られていましたが、2002年商法改正で自由化されています。

ニッポン放送は新株予約権を発行価格336円でフジテレビに4720万株割り当てました。フジテレビがこの新株予約権を行使するためには5950円の払い込みが必要となりますので、フジテレビが全株行使するには、2966億円を必要とします。敵対的買収者(ここではライブドア)に支配権獲得をあきらめさせることができれば、実際にその資金を投入しないですませることができますし、株価も大幅に下がってしまうかもしれません。そう読んでのことなのか、この新株予約権は「転換価額修正条項付き」で発行されます。

新株予約権が、支配権に争いのある会社において一方の持ち株比率を低下させる目的で発行されるときは、不公平発行に当たるとした判例があります。今回のケースにも当てはまるように思われます。ニッポン放送はフジテレビとの業務提携と放送局の公共性を守ることを目的とする新株予約権の正当な発行であると主張するもようです。ライブドアの提訴により、判断は司法の手に委ねられることになりました。

フジテレビがTOBをした理由は、次のページに。
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