資産運用/資産運用をするときの鉄則

資産運用の理論VOL.10 イールドカーブ(2ページ目)

イールド・カーブは金利の期間構造を表わします。短期金利<長期金利なら順イールド、短期金利>長期金利なら逆イールドといいますが、形状の変化が将来の予測に役立ちます。

執筆者:橋爪 修司

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イールド・カーブは債券の利回りで見る

日本のイールド・カーブはおおむね日本国債の残存期間別利回りをプロットして描かれます。直近のものはブルームバーグ社の「マーケット・データ:金利/債券」で確認することができます。

金利の世界では、短期というのは1年以内、中期は5年前後、長期は10年、超長期は20-30年を指して言うことが多いようです。

金融のプロが書いたものを見ても、残念ながら、イールド・カーブの描かれた形状をどう説明するかという議論が中心です。イールド・カーブそのものは将来を予測するものではないということです。

しかし、その形状の変化を意識しておくことは必要だと考えます。傾斜が急になったとか緩やかになったとか観測するわけです。金融当局の政策により意図的に低く抑えられていること、機関投資家は有力な融資先が見当たらずその余剰資金を債券市場に振り向けているため、中長期の利回りもフラット化、すなわち頭打ち現象が生じていて、近い将来に金利が急上昇する確率は低いと見るのが穏当なところです。

イールド・カーブで金利感覚を身に付ける

資産運用の道はいくつものハードルがありますが、ひとつひとつ習得してゆくしかありません。自分のポートフォリオを意識して、組み入れた個別銘柄の値動きばかりに気を取られるのではなく、ポートフォリオ全体の利回りがイールド・カーブとどれだけ乖離しているかを定期的に確認する習慣を付けるのが、実感をもって金利の動きを知ることができる良い機会となります。

<関連サイト>
日本銀行>なぜイールド・カーブは、生産、インフレ、金利を予測できるのか?
ブルームバーグ>マーケット・データ:金利/債券
リスクニュートラル>逆イールド

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