株にまつわる日本人の誤解
証券取引所では、人間の煩悩が生み出す葛藤のドラマが毎日繰り広げられている。しかし、個人投資家がそこに関わっていく必要があるのだろうか? |
株式投資でどこがむずかしい?という質問に対する答えは、以下の通りでした。
●売買のタイミング
●投資情報の集め方
●銘柄の選び方
●株式投資の仕組み
●企業データの見方
経験のない一般の人が上のように思い込んでいるということは、日本人は「投資といえば、株の短期売買しか思い浮かばない」ということが読み取れます。さらに、投資収益は「自分の努力と知能でかせぐもの」という発想が前提あります。
しかし、果たしてそうなのでしょうか?株に投資する方法には、いろいろあります。デイ・トレード、スイング・トレード、バイ&ホールド、ポートフォリオ投資などなどです。
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そして、この業界には、自分の力で市場に打ち勝つことができると主張する自信家と個人は市場には勝てないという理論派とがいます。投資先進国のアメリカでは、20世紀の精緻な分析から、最近は後者の立場に立つ人(効率化市場説)が多くなりました。個人で銘柄を研究しても、市場には勝てないというランダム・ウォーカー派です。
※ランダム・ウォーカーとは、「物事の過去の動きからは、将来の動きや方向性を予測することは不可能である」ということを意味します。代表的な著書に、「ウォール街のランダム・ウォーカー―株式投資の不滅の真理」(バートン マルキール著)があります。
私もどちらかというランダム・ウォーカー派ですから、投資にとって大事なことは次のようなことだと思っています。
○売買のタイミングを計らない(結局は当てられないから)
○自分だけが知っている情報などありえない
○銘柄選択は馬券選び程度の確率でしか当らない
○単純な現物売買に限る(先物やオプションには手を出さない)
○地球規模で市場の動向を知ることが大事!
投資未経験の一般の人のイメージがかたよっているのは、決して偶然ではありません。未経験者の投資イメージは現実の投資家像をある程度はとらえています。投資に対するイメージがかたよっているだけでなく、実際の投資手法も銘柄株の短期売買に集中しています。
私が見聞してきた投資家のパターンを、次のページでご紹介します。