資産運用/投資初心者にもできるカンタン資産運用法

所得税の確定申告が義務の人とトクする人(2ページ目)

確定申告の季節となりました。日本の証券税制は複雑ですが、しっかり理解して、適切な対応をいたしましょう!まずは、申告すべき?申告した方が良い?申告しない方が良い?

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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確定申告をした方がいい人

次に該当する人は、確定申告の義務はないのですが、行った方が有利です。

○2006年までの損失を2008年以降に繰り越したい人
○源泉徴収ありの特定口座で取引しているが、前年以前からの損失繰越がある給与所得者
○源泉徴収ありの特定口座で取引しているが、当該年の一部の口座に赤字がある給与所得者
○源泉徴収ありの特定口座で取引しているが、黒字が38万円以内の専業主婦など

特に注意したいのは、損失の3年間繰越しです。2005年以降に発生した損失を2008年に繰り越したい人は、2007年に申告する取引がまったくない人でも申告しなければなりません。該当するのは、上場株式の譲渡損、公募株式投信の譲渡損や解約・償還損の繰り越しのケースです。

どちらがいいか微妙な人

最後のケースは微妙なので、どちらが有利かを試算してから選択することになります。

○年金生活者で源泉徴収ありの特定口座で取引をして、前年以前の損失を繰り越しているかあるいは一部の口座に赤字がある人
(所得税だけでいえば申告した方が所得税は減りますが、市町村に所得を把握されることで国民健康保険料が増えることがあります)
○源泉徴収ありの特定口座で取引をしていて、合計で38万円を超える黒字があるが、前年以前の損失繰越もある専業主婦など
(奥さんの所得税は一部還付されますが、ご主人の配偶者控除が受けられなくなります。家計総体として納税額が増えることがあります)

≪参考≫上場株式等とは・・・
国内上場株式、上場不動産投信、上場株価指数投信、日銀出資証券、外国市場上場株式、上場新株予約権付社債、上場外国投資口、上場優先出資証券、上場ベンチャーファンド、非上場公募株式投信


 ○ ○ ○ 証券税制 バックナンバー ○ ○ ○

特定口座では源泉徴収ありを選択しておく
所得税確定申告でトクをしようVOL.2株式売却損
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