怖い為替リスクに対応するための通貨分散
為替リスクを避けるために複数の外貨を資産として保有すべき!とは意外なパラドックスだ。 |
もし国内で外貨のまま海外製品を買える環境にあったとすれば、あなたは円に戻す必要がなく、したがって購買力も失いません。円高になった分だけ輸入価格も安くなることを考えれば、この理屈が分かってもらえるでしょう。
つまり米国ドルでアメリカの食品を買う、ユーロで欧州の自動車を買うという場合には、為替リスクは基本的には発生しないのです。そして冒頭で見たように私たちは世界中から商品やサービスを買っていますから、複数の通貨を準備しておけばよいという理屈になります。
世界で使用される通貨の量でいうと、米国ドル、ユーロ、日本円が三大通貨と言われてきました。そこで、私は自分の資産をこの3通貨に分けて持つことをおすすめします。ドルとユーロと円を均等に持っていれば、資産評価額でいえば三つ巴の関係にありますから、常に均衡が取れている(大きな増減を回避できる)状態に近いはずです。
もちろん、3つの通貨に分けて置いておくだけでは、為替リスクはヘッジできても大して増えないわけですから、外貨で株・債券や不動産に投資する必要がでてきます。
外貨資産を通貨分散を意識して保有するとどうなるか?ひとつの事例を次のページで!