ハイリスクハイリターンの株は今回の金融危機でおよそ半値となり、投資家は大いに肝を冷やしました。債券はローリスクローリターンであり、株に比べればその下げはやはり限定的でした。ただし、外国債券には為替リスクもありますから、円ベース評価額での損失は免れなかったといえます。
2009年3月までは国内債券保有が正解だった
債券大好きなFPの書いた本。株の本は多いが債券投資を説く本はなぜか少ない。 |
このように、どの銘柄やどの通貨を選ぶかという選択以前に、株を買うか債券を買うかで勝負は分かれます。それが、アセットアロケーションの基本中の基本原則です。
投資期間を大別すれば、株に投資することが正解である時期と債券に投資する時期が交互に訪れます。現実には、どちらが良いかを予測することはむずかしいので、私たちは分散という方法で当たり外れを回避しようとするのですが、過去を見ればその優劣は明らかです。
債券から株への変わり目は2003年だった
たとえば、2003年から2008年までの5年間は株に投資することで、大きな収益を稼げたときでした。しかし、それ以前(2000年から2003年まで)とそれ以後(2008年以降)は債券に投資するべきでした。下の表で、それがひと目で分かるでしょう。1999年から10年間の主要4資産の年間収益率。株がいいとき、債券がいいときが交互に訪れていることが一目瞭然! |
問題は、これからはどちらなのか?ということです。
サブプライムショックからの混乱が収まっていないと考える人は、さらなる景気の悪化を予想するでしょうから、債券有利と考えるかもしれません。事実、国内証券会社は国内の社債の販売額が4倍と拡大しています(2008年度実績)、株に懲りた個人投資家を市場につなぎとめる窮余の切り札となっているのでしょうか。
しかし、株価が2009年3月に大底を打ったと考えれば、株価が景気をけん引する形で経済も回復すると予想し、株式有利と考えるでしょう。
これから投資すべきは、株なの債券なの、結局はどっちなの?という人は、次のページを読んでください。