貯蓄は日常の金、運用は将来の金
毎日の生活費、子どもたちの学費、予定のつかめる支出などに備えるのが貯蓄なら、未来のために備えるのが資産運用です。未来とはどのていど先のことなのか?といえば、少なくても5年超、一般的には10年とか20年後をターゲットとします。投資環境が整備されていなかった昔は、未来の備えをほとんど保険商品で行っていました。しかし、今では個人が自分のライフプランに合わせた資産運用を、妥当なコストとリスクコントロールで自在に行える時代となりました。
貯蓄は徒歩旅行、資産運用はドライブ
貯蓄は安全確実でくるいのない計画が立ちます。そこからは人が歩いて旅をしていたころの堅実さが連想できます。それに比べたら、資産運用はドライブのようなものです。大変に便利で効率的ですが、リスク(事故や故障)もあります。コストもかかります。しかし、歩いていては目的地に着けないときにドライブを選択するのは、旅も人生も同じです。
「可愛い子には旅をさせよ」の格言どおり、お金に長い旅をさせることで人生は豊かになります。
かつては貯蓄だけで資産運用ができた時代がありました。6%と7%という利率の貯金や預金があったからです。しかし、今や超低金利時代となり、0.5%が倍の1%となったところで大したことはありません。人生に影響を与えるようなインパクトは持っていません。
投資は攻撃的、運用は戦略的
ここまで取り上げてきた「貯蓄と資産運用の違い」はご納得いただけましたか?資産運用と投資はどう違うの?という質問も聞こえてきそうです。資産運用には、個人向け国債購入のように防衛的な運用から、投機に近い高リスクの運用まで、無数のバリエーションがあります。投資も資産運用の一部ですが、投資は積極的に利益を追求する姿勢を感じさせます。ある意味では攻撃的な運用スタイルです。
しかし、資産運用は、攻撃的から防衛的までさまざまです。むしろ、お金の目的を達するために、どんなコントロールをするかという選択肢を用意できるので、戦略的という言葉がぴったりきます。
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