■2:転職(退職)
転職(退職)も人生の大きな転機といえます。私も2回転職(というか2つ目は独立、みたいな格好ですが)した経験がありますから、しみじみ感じます。転職を機に、人間関係、ビジネスのフィールド、自分の可能性が大きく変化しましたし、収入といった面でも生活が大きく変わりました。テレビゲームで例えるなら、RPGでレベルが上がって、所持金が増えると同時に、行動範囲がぐんと広がるようなものでしょうか。
転職をしなくても、ひとつの会社でステージアップしていくことができればそれに越したことはないでしょうが、同じ会社でがんばっていくにしても、自分が外ではどれくらいの価値があるかを意識しておくことは重要でしょう。転職してキャリアアップするのも、社内で昇進するのも、自分の価値を高める、という意味では同じです。
しかし、転職した場合、同じ社内に居続けるのとは大きな違いがでてきます。それは別の会社というシステムに自分を移さなければならないというところです。社風の理解も、人間関係も、場合によっては仕事の内容も、一から再構築していくわけですから、大きな負担になります。せっかくのチャレンジですから、これを苦痛でなくやりがいに変えて乗り切りたいものです。
さて、転職をする人はライフプラン上、どんなことに気を使うべきでしょうか? 私は「生活水準の変化への対応」と「退職金の確保」の2点を大きく挙げたいと思います。
多くの場合、転職に伴い、収入が増えることが多いのではないかと思います。収入が増えると、今までできなかった貯蓄をしたり、今までより財産形成ができるような気がします。しかし、意外な落とし穴なのは、収入が増えるとつい生活水準を上げてしまい、支出も増えてしまうということです。
せっかく収入が増えた機会なのですから、これを自分の生活に活かしていきたいもの。もちろん豊かな生活をエンジョイするのも良いですが、今まで十分に財産形成ができてない人は貯金を始める(あるいは積み増す)などの対応もぬかりなく行っておきましょう。こうした取り組みのちょっとした差が数年たつと大きく響いてきます。
また、転職においては、前職を退職してから、新しいオフィスで給与を受け取るまでの期間に意外に出費がかさむことがあるので注意が必要です。それぞれの会社の契約によっては、1月分、生活費を自分持ちする可能性もありますし、転職時にはいろんな知人に挨拶をしたりして食事の機会が増えたりもします。
私自身のケースで言えば、転職前後の1カ月で2.5カ月分くらいの生活費がかかった記憶があります。何かとドタバタしている折りですので、つい財布の管理も緩みがちですが、こうした出費については自覚的にコントロールしておきたいものです。
そして最後のポイントは「退職金の確保」です。中途退職した場合、いくばくかの退職金が出るケースがあります。転職前後は出費がかさみますし、職場の都合で引っ越しをしてしまえば退職金がなくなるケースもあるでしょう。しかし、退職金を今使わないで将来のために取っておいて欲しいのです。