企業年金・401k/401k企業型の運用のポイント

401k運用商品の選び方・見極め方教えます!

401kを導入した会社が増えていますが、たくさんある投資信託の選び方は難しいものです。今回は運用商品を見極めるヒントを3つお教えします。これで20本以上あっても見分けるのが簡単になる!?

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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選択肢がたくさんあって悩ましい?

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401kの商品選びを3つのポイントで整理!
2013年6月現在で、401kの導入企業数が約1万7500社、約456万人になっています。「実は私の会社も401kなんですよ」という人が増えています。

各社ごとに、資産運用の選択肢は異なります。平均では19本の商品を選択できるようです(厚生労働省調べ)。選択肢が多いということは一人ひとりの自由度が高まるということですが、同時にどう選んでいいのか悩みも高まるということになります。

例えば「○×トピックス・オープン」「○×グロース・ファンド」「○×ワールド・ソブリン・インカム」(○×は金融機関の名前)といった名前が並んでいても、何のことやらさっぱり、という人もいることでしょう。詳しい情報を書いてあるパンフレットやホームページを見ると、情報がたくさんありすぎて、さらに混乱してしまったりします。

そこで、今回は401kの運用商品の選び方をお教えします。これから教える3つのヒントを活用することができれば、商品の理解と整理はカンタンにできますよ!

アセットクラスを意識するとすっきりする

第1の選択ステップとして「アセットクラス」での分類を考えてみることをおすすめします。「アセットクラス」とは投資対象といった意味合いです。一般に、違うアセットクラスに少しずつ運用を分散しておくとリスクが下がることが知られています。

例えば、A投資信託とB投資信託が同じ「日本株式」に投資している場合、そもそも投資対象が同じだという認識をしておかなければ、同じマーケットに二重に投資してしまうおそれがあります。

それよりも「外国株式」に投資するC投資信託や「国内債券」に投資するD投資信託との併用を考えるほうが、リスク分散では有効です。アセットクラスを整理することでそういったチェックができるようになります。

まずは「元本確保型」か「その他(投資信託等)」といった分類をします。元本確保型は銀行・生保・損保が提供する商品で、満期まで保有すれば元本+利息が受けられるものをいいます。投資信託等その他の商品については値上がりすることも元本割れする可能性もあります。

そのうえで、投資信託については「日本株式」「日本債券」「外国株式」「外国債券」「その他」という区別をしてください。株式か債券、国内(日本)か外国かという分類です。これらは普通に運用をする際も組み合わせて運用することでリスクを抑えられる投資対象なので、覚えておくといいでしょう。

401kがスタートしたときにもらったパンフレットかサポートHPを開いて、自分の運用選択肢について確認をしてみましょう。例えば下記のように記入してみるとわかりやすいと思います。

元本確保型:(    )本 今の運用割合は(    )%
日本株式:(    )本 今の運用割合は(    )%
日本債券:(    )本 今の運用割合は(    )%
外国株式:(    )本 今の運用割合は(    )%
外国債券:(    )本 今の運用割合は(    )%
その他:(    )本 今の運用割合は(    )%

現在の運用状況を見て、どこか1つに集中していたり、どこかが欠けている場合は、運用を見直してみるといいでしょう(その他はなくてもかまいません)。

コスト、運用方針が分かれば投信は分かる!

次にチェックしたいのは「コスト」と「運用方針」です。コストは運用がうまくいこうと失敗しようと引かれることになるので、絶対にチェックが必要です。仮に運用成績が同じであれば、コストの差が手取りの実績に直接影響してきます(当然ながらコストの高いほうが負けになります)。

コストについては、特に「信託報酬」(運用手数料)に着目してみてください。これは購入後、解約するまでの間に毎日引かれる、運用を代行してもらうための手数料です。パンフレットでは年率で手数料が示されています(毎日この365分の1が引かれます)。できればリーズナブルなものを選びたいところです。

ちなみに、購入時にかかる販売手数料、解約時にかかる信託財産留保額等は401kの場合ほとんど無料なので安心です。ただし、ごく一部に有料の商品も混じっていますので、一度は必ず確認しておきましょう。

運用方針については「ベンチマーク」について確認し、「インデックス(パッシブ)型」か「アクティブ型」かを見ます。買った投資信託の値上がりや値下がりをチェックするために、テレビのニュースで何を見ればいいかを示すのが「ベンチマーク」です。

例えば、TOPIXをベンチマークとした日本株式で運用する投資信託を買った場合、ニュースでTOPIXの値動きを知れば、おおむね投資信託の値動きも理解できる、というわけです。

また「インデックス(パッシブ)型」であれば、ベンチマークの値動きと投資信託の値動きがほぼ連動するので、シンプルに理解ができます。手数料も低めです。「アクティブ型」の場合、ベンチマーク以上の成績を狙いますが、うまくいくことも失敗することもあります。手数料も高めです。選択は好みですが一般にはインデックス型を中心にするといいでしょう。

アセットクラス、コスト、運用方針の3つが分かれば、商品の基本的な違いは分かったも同然です。いくつかある商品の違いを見極め、自分の好みに近いものを選択するために必要な情報は網羅されていると思います。

投資信託を活用して上手に運用している人は、年率10%以上も増やすことに成功している人もいるとか。せっかくの資産運用のチャンスに、自分の納得いく運用ができるよう、商品を比較検討し、選択してみてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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