確定拠出年金で運用をしている人から、株価が下がっているので運用方針を変えた方がいいですか?と質問を受けました。

こんなときには、下がっている株式投信を買わずに、元本確保型の定期預金や保険商品を買うようにすることが賢いのではないかと思いがちです。

しかし、それはNGです。

年金作りの基本スタンス

こんなときでも、投資スタンスを変えてはいけない訳を説明する前に、基本のスタンスを確認しましょう。

老後の生活費のために(60歳以降に使うために)年金資産を大きく増やしたい人が買うべき商品は、株式投信です。増やすためには、債券も定期預金も不要です。

問題は、国内株式と海外株式の分散比率です。以前には国内株式3割:海外株式7割とお話してきましたが、今ではもっと海外比率を高めたい気持ちでいます。
日本のGDPは世界の1割弱ですから、そこまで国内株式の保有比率を下げることも「有り」と思っています。

また、最近の業界内の小さな変化として、海外株式投信の中でも新興国に特化した新興国株式投信を追加する運営管理機関が増えてきました。その変化を含めたうえでおススメできる分散比率は、≪国内株式2割:海外株式4割:新興国株式4割≫といったところです。

ドルコスト平均法は停滞を成長に変える秘薬

さて、以上の投資スタンスは今のような株価低迷期にあっても不変です。徹底して買い続けていけば、大きな年金資産を築くことになるでしょう。

なぜなら、株価が下がり続けているということは、定時定額購入を行う確定拠出年金にあっては、数量をたくさん買えるようになっているということだからです。下がり続ける株式投信を買い続けることができた人は、株価が底を打った時点から、驚くほどの収益をあげることができるようになります。

ここで、2種類の試算をしてみました。現在40歳のサラリーマンが60歳までの20年間に毎月2万円の掛け金で401kに資金投入を続けた場合です。当初の株価は1万円でした。

株価が低迷するケース1では、毎月1%ずつ15年間(40歳から55歳まで)も株価が下がり続けます。そして、15年後の55歳で底を打ちその後の5年間は毎月1%ずつ株価が上昇する、という前提です。株価は1万円から1600円台まで下がり、20年後は5,400円台まで回復しました。

株価が上昇し続けるケース2は、毎月0.2%ずつの上昇が20年間続きました。1万円だった株価は18,000円台に乗っています。

さて、以上の二つのケースで、どちらの方が資産を増やせたでしょうか?

ケース2の順調な上げ相場の方だと思われるでしょうが、実はケース1の株価低迷の方がお金は増えました。試算の結果は、ケース1では、600万円の投下資金は1,012万円で実に412万円も増えました。ケース2では、221万円増えて821万円でした。上げ相場の収益は、低迷相場の収益の約半分に過ぎなかったのです。

ドルコスト平均法を上手に使って、資産を増やしましょう!
見直すべきは、間違えやすい人間の観念です。

ただし、このような積極策をすすめられるのは55歳未満の人です。運用期間がもう5年も残されていない56歳以上の方には、もっと安全な運用に徹する慎重さが必要です。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。