1点め 特別法人税の廃止
1点めは特別法人税の廃止です。特別法人税とは企業年金の積立金について課税されるもので、信託銀行や生命保険会社から直接引き落とされます。税率は1.173%です。税率が低いようにも見えますが、企業年金の残高は約90兆円もありますので、結構大きな額になります。この特別法人税、実は401kも対象となっています。個人の資産であるにも関わらず「法人税」として課税されるのはおかしいということで見直しを求める声が強くあります。これが4点セットの一つ目です。現在では他の企業年金への課税も含め「特別法人税そのものを廃止」という提言が主流です。
ちなみにこの特別法人税、資産運用が厳しく企業年金の運用がマイナスになり始めた1999年の4月から課税がずっと凍結されています。日本版401kのスタートから今まで特別法人税がかけられたことはありません。このまま一度も課税されることなく制度が廃止されることを期待したいものです。
(4点セットのうち「1点め 特別法人税の廃止」については他の企業年金制度とも関連するため、これを除いて3点セットと呼ぶ場合もあります。)
2点め マッチング拠出の創設
4点セットの2点目はマッチング拠出制度の導入です。マッチング拠出というのはアメリカの401(k)プランの用語で、本人の拠出する掛金に会社が一定額や一定率を追加して拠出することです。日本の場合、会社が拠出した掛金に本人が任意で追加の拠出を行うこと(企業型401kの場合)や、本人が拠出した掛金に会社が追加の拠出を行うこと(個人型401kの場合)を意味します。現在、日本の401kではどちらか一方しか掛金を負担できません。企業型401kでは会社のみ、個人型401kでは個人のみしか負担できない仕組みです。一部の会社では401kの掛金と前払いでもらう額とをいくつかのパターンから選択できる仕組みを用意していますが、それもまだ一部の企業でしか利用されていません。
マッチング拠出が実現すれば、個人が追加の積立をして老後の資金を増やすこともできるようになります。401kでは運用益は非課税ですし、低い手数料の投資信託も多いことから有利に資産を増やすチャンスがあります。マッチング拠出の実現も今後期待される改正項目のひとつです。
→4点セットの3つめ、4つめは?