準備しなかった人にも老後は必ずやってくる
さて、数字をピックアップすることが本コラムのテーマではありません。ここで言いたいのは、「老後のためにお金の準備をしなかった人も、年を取れば老後は必ずやってくる」ということです。先ほど見てきたとおり、ほとんどの人は75歳は当たり前で、85歳くらいまで暮らすことは現実的だと考える必要があります。私はセミナーで話をするとき、「60歳の還暦で孫が生まれたら、その成人式は見られると思わなくてはいけない」なんて例えを出します。
標準的にも20年、長い人なら40年以上になるセカンドライフですから、何か生涯にわたる趣味さえ見つけられればかなり楽しい時間が過ごせそうです。
しかし、そのためにはやはり経済的に困らない程度の蓄えが必要になってきます。
どうせ自分の老後は短いとたかをくくって資金準備をしなかったものの、70歳になっても80歳になっても元気にぴんぴんとしていることはかなりあり得る話です。しかしそのとき、きちんと準備をしておかなければ、元気でも何かをやるお金がない、なんてことになりかねません。
国の年金は長生きすればするだけもらい続けることができるものの、これは基本的な生活費に消えてしまうでしょうから、生活のゆとりや趣味に回す余裕はありません。やはり自分で備えておくに限ります。
老後は遠い先の話ですから、ぴんとこないかもしれません。しかし、数字は雄弁に実情を表しています。他人事ではない自分の老後のために、お金の準備を考えてみてはいかがでしょうか。