どうせ長生きしないから老後のことは考えなくても大丈夫?
私の仕事のひとつは、20~30歳代の人に、少しでも早い時期から老後のための資金準備を始めてもらうことです。しかし、そういう話をしたり書いたりすると、決まって、こういう反応が返ってきます。「ああ、でも自分は長生きしないですから大丈夫です」と。
バリエーションとしては、「自分はX歳まで生きるつもりがありませんから」とか「食生活もひどいし運動もしていないし、X歳の頃にはたぶん生きていませんから」とかいうものがありますが、言おうとしていることは同じです。つまり「私は長生きしないから老後資金準備はいらない」というわけです。
こうした考え方は大きな勘違いです。男性の50%は82歳以上まで生きますし、女性の50%は88歳以上長生きするのが現実です。75歳という区切りで見ても男性の71%、女性の86%が元気に超えていく年齢だとしたら?
今回は「簡易生命表」という統計を紹介して、老後資金準備は他人事ではない、という話をします。
→数字を見ると、80歳まで元気なのは当たり前? 次ページへ