目的によって読み方は異なる
読書には、知識や情報を得るために読む場合と、思考回路を変え行動を変えるために読む場合とがあります。
前者の場合には、自分が何を知りたいのかを意識した上で読むと、ぱらぱらページをめくるだけでも、必要な情報が目に飛び込んできます。いわゆる速読ですね。私も外資コンサル時代は短時間で大量の文献や資料を読みましたが、読書のスピードと問題意識は相関関係にあると痛感します。
後者の場合は、逆に頭の中で反芻しながら、あるいはメモをとりながらじっくり読むことになります。このあたりについて詳しくは、夢をかなえるノート術(応用編)
さらには、どうやって自分が読むべき本を選ぶかも重要になってきます。問題意識がはっきりしていれば、タイトルや目次を見ればおおよその判断はできると思います。しかし、例えばネットで購入する場合などは書評を参考にすると思いますが、注意が必要です。
書評に頼り過ぎては大事なチャンスを逃す
私自身は書評などにはあまり頼らず、自分自身が読みたいかどうかで判断します。ですから、ネットよりも書店で買うことの方が多いですね。なぜなら、書評に惑わされて購入の判断をしてしまうと、自分の人生を変えてくれるかもしれない本や、本当に自分に必要な本を見過ごすことになってしまいかねないと思っているからです。書評で良いことが書いてあったとしても、必ずしも自分にフィットするとは限りませんし、反対に、悪いことが買いてあったとしても、全ての人にとって悪いとも限りません(実際、書評でボロクソにけなされている本を読んで、大感激した経験が何度もありますから)。
それはやはり、本の感想とは、内容はもちろん重要ですが、読み手の価値観や感受性によっても左右されることが多いからでしょう。
実際に成功している人に聞くと、読んだ本の内容に不満を持つ人はほとんどいないようです。その理由は、彼らは感受性が豊かであり、謙虚に素直に受け止めて本に書いてあることを必ず一つは実践しようという意識を持って読んでいるからです。だからこそ、どんな本からでも学べるし、何かワンフレーズでも心に響く言葉があれば、1,500円の元はとれたと考えるのです。
凡人は、「そんなことは知っている」「自分には当てはまらない」と自分の小さい世界観でしか判断できませんから、本から多くを学べません。そして「時間と金の無駄だった」「読む価値がない」とチャンスを棒に振ります。そういう人に限って批評ばかりして何ら実践しないのです。
評論家ではなく、「自分ならどうするか」「自分ならどう考えるか」という視点で本を読む。「誰かに伝えよう」「早速やってみよう」とアウトプットを前提に本を読む。そういう意識で読書をすると、行間や著者の想いに想像することができ、一冊の本から驚くほど多くのことを学べます。
そう考えると、本を読む人と読まない人との知性格差はどんどん開き、その末路は恐ろしいくらいの差が出る可能性があります。
本が全てというつもりはありませんが、本を読むことで新しい知識や知恵が身に付きます。新しい興味や感受性が養われます。そして、理解できることの幅も広がり、結果として自分の成長につながるでしょう。