自分で決断し自己責任を経験させる
まず、私の周囲にいるお金持ち達が育った環境を聞くと、多くが放任教育だったようです。しかしそれは、単なるほったらかしではありません。難しい言い方をすると、「自分の判断で行動してよいが、その結果責任は自分で負う」という教育を採り入れています。それはつまり、「自分で決断し、その責任を自分で受け入れる」という経験を多く積ませることが必要だということです。
単純な例で言うと、家族でレストランに行ったとき、メニューは親が決めるのではなく自分で決めさせる、もしその料理がおいしくなかったとしても、全部食べさせる、ということです。つまり、全て親がダンドリするのではなく、なるべく自分で決めさせて、その結果を受け入れるという習慣をつけることです。
お金持ちネットワークの中に放り込む
次に、お金持ちの人が集まるネットワークの中に放り込む、という点があげられます。なぜなら、稼ぐ人のそばにいれば、その影響をうけるからです。私の友人に公認会計士としてバリバリ活躍している人がいますが、彼女の父親は実業家で母親は不動産投資家、兄弟は医者という環境です。環境が人を創るという言葉があるくらい、周囲にいる人に影響されるものです。
例えば裕福な中国人や韓国人の子弟が多く留学している大学やビジネススクールに留学させるという方法があげられます。彼らは貪欲に学び、母国で起業を考えている人が多いですから、大きな刺激を受けるでしょう。
好きなことを相応のレベルに達するまでやらせる
そして、好きなことをとことんまでやらせる、ということです。どの世界でも一流と言われる人たちが言うことはほぼ共通しています。スポーツの一流選手と、将棋の一流技士が対談したとき、共通の話題がないと思われる組み合わせであっても、見事に会話が成り立つのはそういう理由です。一流を極める過程で得られる思考と行動は、どの分野でも同じということでしょう。ですから、子供が好きなことは、自分で大切なことをつかみ取るまで、とことんまでさせてあげてみましょう。
この「とことん」がキーワードです。つまり、中途半端な努力で中途半端に挫折させてはいけないということです。中途半端でやめると負け癖がつくだけですから、相応のレベルになるまで続けさせ、親も応援することが必要かもしれません。
正しい教育は存在しない
私の周囲にいるお金持ち達は、受験戦争を経験したり、海外放浪を経験したり、育った背景はまちまちです。ということは、いろいろ議論されている受験勉強や詰め込み教育が良いとか悪いとかは断定できません。(細かいテクニックを言うなら、小さいときから多くの本を読み聞かせる、などがありますが)親の価値観や発する言葉にも左右されますし、親の知らないところで子供自身が交わる交友関係や経験によっても変わってきます。つまり、「正しい教育」など存在せず、親自身も試行錯誤の連続になるということです。しかし、あえて大切なことを挙げるとすれば、前述したことの繰り返しですが、
自分で判断し行動し、その結果を受け入れる経験
目指す人たちの中でもまれる経験
何かに一生懸命取り組み、そこから教訓を感じ取る経験
このような経験を積むことでしょう。人間である以上、こう育てればこのような人物になる、ということはあり得ません。ですから、ここで述べたことが全ての人に当てはまるわけではありませんが、取り組んでみる価値はあるのではないでしょうか。
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