アップルのMacBook Airは、世界で最も薄い※ノートパソコン。ディスプレイを閉じた状態では、もっとも厚い部分でも19.4mmしかない。
もちろん、これまでも薄いノートパソコンはあったが、それらと比較してMacBook Airがすごいのは、フルサイズのバックライト付きキーボード、ワイドスクリーンディスプレイなど、装備も充実している点だろう。CPUの速度も最新のIntel Core 2 Duoプロセッサの1.6~1.8GHzで、メモリ2GB搭載済み、ハードディスク容量は80GB(ソリッドステートドライブでは64GB)とスペックも一般的なノートパソコンと比較しても充実している。
今回、MacBook Airの実物をテストできたので、その結果からわかったことをいくつか紹介しよう。
※2008年1月16日現在、同種製品の比較による(アップル社調べ)
MacBook Air Intel Core 2 Duo 1.6GHz/2GBメモリ/80GBハードディスク:¥229,800(税込) Intel Core 2 Duo 1.8GHz/2GBメモリ/64GBソリッドステートドライブ:¥388,400(税込) |
薄くて軽くて高性能!
MacBook Airの特徴はその“薄さ”だが、ただ薄くしただけではなく、現行のMacBookと比較しても遜色のないスペックを持っている。ただし、USBポートは1つしかなく、後は外部モニタと接続する「Micro - DVI」ポートとヘッドホンジャックのみで、光学ドライブについては別売りとなっている。MacBook Airの接続ポート。USBポート1つだけなので、プリンタはネットワークかBluetooth対応のモデルを使うなどして、できるだけUSBを使わないようにしたほうがいい。なお別売の“MacBook Air SuperDrive”は、私の環境ではUSBハブ経由では利用できなかったので、MacBook Airに直接接続する必要があるようだ |
拡張性はきわめて小さいと言わざるを得ないが、動作速度については申し分ない。実際に使用してみて、MacBookと比べても遜色のない明るいディスプレイや、打ちやすいキーボードはすばらしく、ただ薄いだけのマシンではないことを実感できる。
ディスプレイを開くと、その薄さを忘れてしまうほど広いキーボードとディスプレイで作業できる。(“MacBook Air SuperDrive”は別売) |
ワイヤレスでのインターネット接続も、802.11nの通信速度ならばなんの不満もない。無線環境を持っていない人向けに、オプションでUSB Ethernetアダプタもあるが、MacBook Airの良さを実感したいのであれば、802.11n対応のワイヤレス環境を構築することをおすすめする。
あと、気になるのは発熱量だが、ACアダプタを接続して1日中使っていても、本体底面部分はほんのり暖かい程度にしかならなかった。夏場でのテストをしていないため、過酷な環境下ではどの程度熱くなるかはわからないが、1年を通じて問題なく稼働してくれるマシンであることは間違いなさそうだ。
なお、バッテリー駆動時間は正確に計測していないが、DVD再生で2時間ちょうどくらいで警告メッセージが表示された。
全体のパフォーマンスは良好。ただし3Dゲームはあきらめたほうがよい
MacBook Airのパフォーマンスだが、ここではXbenchというソフトウェアを使って計測した。MacBook(Core Duo 2.0GHz メモリ2GB)のスコアと比較しても、CPUやハードディスクの読み書きでは同等であるものの、OpenGL Graphics Testの値が異様に低い。Office などのビジネスソフトや、Photoshopなどのグラフィック系ソフトウェアなら問題なく動作するが、ゲームなどを楽しむマシンとしては不向きのようだ。
※今回テストしたのは、MacBook Air1.6GHzモデルとMacBook Core Duo 2.0GHz
Xbench テスト項目 | MacBook Air | MacBook |
CPU Test | 90.27 | 81.83 |
Thread Test | 144.42 | 185.72 |
Memory Test | 128.17 | 132.12 |
Quartz Graphics Test | 99.48 | 134.84 |
OpenGL Graphics Test | 17.41 | 239.63 |
User Interface Test | 115.90 | 207.12 |
Disk Test | 26.98 | 31.35 |