Javaサーバの種類
このJavaサーバ、実をいえば2つの種類のものがあります。それは「Javaサーバ」と「J2EEサーバ」です。これらは以下のような違いがあります。
Javaサーバ
サーバサイドJavaの中でもっとも広く使われている「JSP(JavaServer Pages)」と「サーブレット」という技術に対応したサーバプログラムです。サーバサイドJavaを使う場合、最初に利用するのがこのJavaサーバでしょう。主に、ユーザからさまざまなデータを受け取り、それを処理して結果を表示する、ユーザとのやりとりを中心とした処理に用いられます。
J2EEサーバ
これは「EJB(Enterprise Java Beans)」と呼ばれるサーバサイドの技術を使ったプログラムを実行させることのできるサーバです。これはJavaサーバでも動くJSP/サーブレットと異なり、直接ユーザとやり取りするようなものではありません。サーバへのアクセスや、さまざまなデータを永続的に保持したりするのに用いられます。
今まで特に考えもせず「Javaサーバ」といってましたが、実はいわゆるJavaサーバだけでなく、J2EEサーバというのもあったのですね。Javaのサーバといっても、両者の間ではできることが違うのです。ですから、サーバを導入するときには「それがどちらのタイプのサーバなのか」ということを知っておかないといけないのです。
主なJavaのサーバ
では、実際にどんなサーバがあるのか、主なものをざっと整理してみましょう。今回は個人でも使えることを考え、無償配布されているものを中心にあげておくことにします。
※無償配布されている主なサーバ
Tomcat
Jakarta Projectで開発が行われているオープンソースのJavaサーバです。現在、Javaの学習用としてはもっとも広く使われているサーバプログラムでしょう。もちろん、学習用だけでなく実際のWebサイトでも広く用いられています。オープンソースですから誰でもタダで使えます。
jakartaのTomcatのサイト
Tomcatは、コントロールのウインドウからすべてを集中管理できる、非常にわかりやすいサーバだ。 |
Sun Java Application Server PE
Javaのサーバ向けエディションである「J2EE 1.4」以降に標準で用意されているSun Microsystems社のJ2EEサーバプログラムです。商品として販売されているものの無償配布版で、Javaでできたデータベースサーバ「PointBase」の評価版まで内蔵されています。
J2EE 1.4のダウンロードページ
JBoss
JBOSS.comにより開発されているJ2EEサーバです。無料で配布されているJ2EEサーバの中ではもっとも有名で広く使われているものでしょう。
JBossのダウンロードページ
※製品として販売されている主なサーバ
Macromedia JRun
Macromediaの製品J2EEサーバです。
JRunの製品ロードページ
IBM WebSphere
IBMの製品J2EEサーバです。
WebSphereの製品ロードページ
BEA WebLogic
BEAの製品J2EEサーバです。
WebLogicの製品ロードページ
あなたがサーバサイドJavaの勉強をしようと思ったなら、サーバプログラムとして導入するのは「Tomcat」「Sun Java Application Server PE」「JBoss」のいずれかを選択することになるでしょう(製品ソフトは、ちょっと個人で使うには高価ですので)。
これらの中で、初心者におすすめなのは、なんといっても「Tomcat」でしょう。非常に扱いも簡単ですし、なにより広く使われているので情報も豊富です。特にJSP/サーブレットといったサーバサイドJavaの基本に関する書籍などでは、ほぼ100%といってもいいほどTomcatを想定して解説しています。
もちろん、それぞれのサーバプログラムごとにそのメリット、デメリットはあります。サーバサイドを目指すなら、「こんなにさまざまなサーバプログラムがあるんだ」ということぐらいは知識として知っておきたいですね。