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この秋冬、注目のタータンチェック 前編(2ページ目)

スコットランドの伝統的な柄、タータンがおしゃれとして復活し始めています。今回はその魅力について触れてみます。

執筆者:平良 淳


タータン『Tartan』の由来

タータン
赤い大柄タータンの60年代スタイルのジャケットを着た女の子。七分丈ジーンズと黒いブーツとの組み合わせが非常におしゃれ。
タータンの語源ははっきりしていません。しかし、可能性の高い説としてアイルランドの古語『tarsna』(crosswise)やゲーリック語の『tarsuinn』(across)と言う言葉から来ているのではないかと言われています。

スコットランドのクラン・タータンセンターの記録によると、現存するタータンの最も古い物は7世紀に作られたサフロンシャツだそうですが、その由来に関しては確かな事はわかっていません。しかし、歴史家によるとその初期のタータンは、アイルランドのケルト人によって、ローマンのチュニックのようなサフロンシャツ(Leine Croich)がスコットランドにもたらされたと言われています。

そのチュニックのようなシャツはサフロンイエローに染色され、そしてストライプが描き込まれていました。ストライプが沢山あるほど位が高かったと言う事だったそうです。後にそれは、暖かさを保つためにリネンからウールへ、柄はさらに複雑なチェックへと変わり、プラッド『Plaid』と呼ばれるタータンの布地へと変わっていきました。

タータンとキルト『Kilt』の関係

タータン
ロンドンのサビル・ローにあるロッカロンショールーム
タータンと言えばキルトがすぐに連想されます。キルトはスコットランドの男性の民族衣装として有名ですが、その起源もまた定かではありません。しかし、中でも有力な説は、17世紀ごろに、自然が厳しいスコットランドのハイランド地方で防寒用着としてプラッドを身体に巻きつけていたそうです。

後にそのプラッドと呼ばれる1枚の布を腰のところでひだを取ってベルトをつけ、残りの布は肩に回してブローチでとめた、というのが伝統的な8ヤードプラッドでできたキルトの原型『Breacan-feile』(ゲーリック語でベルトを付けたプラッド)となっていると云われています。キルトは、野外で活動的な生活をおくるハイランド地方に住む男達にとって、冬は暖かく、夏は涼しい、雨に濡れても布が足にまとわりつかないなどの利点があったそうです。

後編では、タータンの代表的な柄、およびタータンの工場を見学してみます。
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