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王家の古城を守る女性当主の生き方 後編(2ページ目)

前編に引き続き、トラクエア城の女性当主、キャサリン・マクスウェル・スチュアートさんにお話をお伺いします。当主としてのご苦労や、ご主人のこと、子育てのこと、社会参加についてお聞きします。

執筆者:平良 淳


子供たちには外の世界を見て欲しい

traquair
ご家族揃っての写真撮影。
ガイド:
3 人のお子様がいらっしゃいますが、誰を次の当主にするかは、お決めになっていらっしゃいますか?

キャサリンさん:
いいえ。それは、子供たち自身に決めさせたいと思っております。私は、長女だから、長男だからという理由で、当主を決めなくてもよいと思っております。大切なことは、トラクエアに情熱を一番傾けることができる子が継ぐということです。それに、邸宅やビール会社など、事業はいくつもございますので、興味のある事業を個別に継ぐという選択もあると思います。

それと、トラクエア城は現在では、慈善団体のトラストになっておりますので、私達のほかにも運営委員会の方達がいらっしゃいます。そのことも、私は良かったと思っております。運営に関わるすべての責任が、私達家族に委ねられているというわけではありませんので。

子供たちが大きくなったときに、トラクエアに留まるか、それとも出て行くかを決めてもらえれば良いと思っております。私としては、一度はみんなに外へ出て欲しいと思っております。外の世界で経験を得るということは大切なことですから。

ガイド:
お子様がここを継ごうとお決めになったときのために、準備というか、なにかお伝えになりたいと努力されていることはありますか?

キャサリンさん:
いいえ、特にございません。子供のときには、私もそうでしたが、周りのすべてのことを当然と受け止めてしまい、歴史とか責任とか、そういうものには、あまり興味を持たないものです。

大きくなるにしたがって、いずれ心配しなければならないことは出てきますから、今は、ただ楽しく、この家で幸せに暮らして欲しいと思っております。そうすることで、この家に対する愛情が子供たちの心の中に自然と育まれると、私は信じております。そしてその愛がこの家には必要なのです。

次のページでは、仕事と家庭の両立の仕方についてお聞きします。

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