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ガイドお勧めの紅茶専門店 種類が豊富なイギリスの紅茶

朝食時のブレックファーストティー、11 時頃のイレブンシーズ、午後のアフタヌーンティー、寝る前のナイトティー、などなど、イギリス人の生活とは切り離すことのできないお茶についてお話します。

執筆者:平良 淳



寝起きのアーリー・モーニングティー、
朝食時のブレックファーストティー、
11 時頃のイレブンシーズ、昼食時のランチティー、
午後のアフタヌーンティー
夕食後のアフターディナーティー、
寝る前のナイトティー、などなど、
イギリス人の生活と密接なかかわりのあるお茶。

日本でもちょっとしたお茶ブームですが、イギリスを語るときに、お茶の話題は欠かせません。今回は、お茶のはなしと、
ロンドンで紅茶を買うなら「ここ!」というガイドお勧めのお店をご紹介します。

P1 : 紅茶専門店を覗いてみましょう
P2 : ガイドお勧めの専門店

上流階級の高価な飲み物としてのお茶

Whittard
ロンドンっ子に人気の高い庶民のブランド、ウィタード。詳しくは 2 ページの「ガイドお勧めの専門店」を参照してください。
お茶の起源は中国で、紀元前 3 世紀の中国では既にお茶が飲まれていたと言われています。日本でも、9 世紀ころには、お茶が飲まれたという記録があるそうです。それからすると、ヨーロッパにお茶がもたらされたのは比較的遅く、16 世紀にオランダの宣教師が中国から茶を輸入したころと言われています。

しかし、中国に大量の銀を支払って手に入れ、100 日あまりかけて船でイギリスに運ばれる当時のお茶は高価で、イギリスの庶民には手の届かない存在でした。イギリスの城やお屋敷などを見学すると、アンティークのティーカディ (お茶を入れる専用の箱) をよく目にしますが、それらは、べっこう細工やらでん作りなどの美しい宝石箱のような箱で、当時のイギリスでお茶がどのように扱われていたかが伺えます。


19 世紀初頭になると、イギリスは、高価な中国茶の代替品として、インドでお茶の生産に乗り出し、自らの手でお茶を生産するようになります。それに伴い、イギリスでお茶を飲む習慣は上流階級から中流階級へ、そしてやがて、一般の家庭にもお茶を飲む習慣が広がります。イギリス人のお茶への執着心は、こうしたお茶のイギリスでの歴史と関係があるかも知れません。

紅茶専門店に入ってみましょう

Tea House
紅茶に関する小物類や風変わりなティーポットも揃うティー・ハウス。詳しくは 2 ページの「ガイドお勧めの専門店」を参照してください。
イギリスの紅茶専門店に入ってまず驚かされるのが、その種類の多さ。何段にも仕切られた壁一面にさまざまなお茶が並べられています。

棚に手を伸ばして、紅茶の袋を実際に手にとってみると、アッサム (インド北東部アッサム州原産) やダージリン (インド北東部・ヒマラヤ山麓ダージリン) など、産地を表す言葉の他に、スーチョン (枝の下部にある大きな葉) やオレンジ・ペコ (枝の上部にある若い葉) などのカットしない茶葉の形状を表す等級も記載されています。


ただ、これだけでは、お茶の香りを想像するのは難しいので、小さなお皿にサンプル用の茶葉が置かれていたら、実際に香りを確認しましょう。また、以下に、代表的な紅茶とその特徴を記載しておきますので、紅茶を選択する際の参考にしてください。


■アッサム:19 世紀初頭にアッサム州で発見されたインドの産の茶葉で、深い味わいがミルクとよく合います。
■ダージリン:インド北東部の高地で栽培。深いこくと味わいのあるストロングな紅茶。「紅茶のシャンパン」とも称されます。
■セイロン:スリランカ産。ソフトで甘い香りが特徴。
■ルシアン:コーカサス山脈の麓で産出。茶葉が大きいのが特徴。デリケートな香りはレモンティーにぴったり。
■ケニア:独特の酸味と渋みが特徴。薄めで飲むのが好まれます。
■ラプサン・スーション:中国産の紅茶に松柏の煙でスモークした紅茶。癖が強くスモーキー感覚の大人の味。
■アール・グレイ:グレイ卿という実在の人物から名前がつけられました。一般的にはダージリンと中国茶のブレンドにベルガモットの香りを付けた紅茶。香りは強いがデリケートな味わい。ダージリンと並び、もっとも有名な紅茶のひとつです。


簡単でおいしい紅茶の入れ方

Fortnum and Mason
イギリスの紅茶専門店を代表するフォートナム・アンド・メイソン。詳しくは 2 ページの「ガイドお勧めの専門店」を参照してください。

1. 沸騰したお湯を陶器またはガラスのポットに注ぐ。(金属のポットは紅茶の味に金属の匂いが移ることがあるのであまり適さない。)
2. ポットのお湯を捨て、スプーンで測ったお茶(1カップに1ティースプーンのお茶+ポットに1ティースプーン)をポットに入れ、再び沸騰したお湯をポットに注ぐ。約3~5分おいた後、蓋を開けてゆっくりかき混ぜる。
3.お茶をティーカップに注ぐ。お好みにあわせて砂糖を入れ、最後にミルクを入れる。
(イギリス人はミルクティーを好んで飲みますが、ミルクは必ず冷たいものを使います。温めたミルクはミルクの臭みが出て紅茶の味を損なうと言われています。また、日本のようにクリームを使うのも同じような理由から嫌われます。)
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