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海外レストランの基礎知識(4ページ目)

海外レストランを利用するとき気をつけたいこと。テーブル・マナーやレストラン用語も、ある程度知っていると安心です。海外レストランの基礎知識と世界を代表する料理をまとめました。

千葉 千枝子

執筆者:千葉 千枝子

旅行ガイド

ヨーロッパの主要な名物料理

■フランス料理
前菜にフォアグラのパテやエスカルゴ、オニオンスープや生牡蠣、帆立など美食の王道フレンチ。南仏のブイヤベース、牛肉をブルゴーニュ産の赤ワインで煮込んだものなどが代表的です。ウエイティングスペースのあるグランメゾン、気軽に楽しむビストロ、ブラッスリーなども人気。ミシュランに紹介されるようなグランメゾンや高級ナイトショーへは、特にドレスコードに気をつけ、早めに予約を入れること。

■イタリア料理
前菜アンティパストはガーリックトーストやカマンベールチーズのフライなど。次いでパスタ(プリモピアット)はクリーム系パスタやリゾットなど。さらに主菜として、肉や魚のメインセコンドピアット(二枚目を意味する)。フォカッチャなどのパン類、バルサミコ酢などをきかしたサラダ、ドルチェ(デザート)、エスプレッソなど伊コーヒーも。

■スペイン料理
夏は冷製スープで。トマト・ピーマンなどを煮込んだガスパチョはスープの代表格。米に魚介、野菜をオリーブ油とサフランで炊いたパエリアはバレンシア地方の名物。デザートにはガリシア地方のチーズや菓子のチュロス、飲み物ではサングリアが有名。フラメンコを鑑賞しながらのレストランも。

■イギリス料理
コスモポリタンな街ロンドンには、世界の美食が集まりますが、伝統的イギリス料理のレストランで食事をするのであれば、事前予約、マナー、ドレスコードを守ること。ローストビーフは西洋わさび・ホースラディッシュ添え、ヨークシャ・プディングも。キドニー・パイやフィッシュ&チップスをスマートカジュアルで楽しむのもよいでしょう。夜はパブ文化を楽しんで。

■ドイツ料理
ソーセージやアイスバイン(豚のすね肉をゆで上げた名物料理)、ザワークラウト(キャベツの酢漬け)、白ソーセージなどを、ビヤホールで楽しむときはカジュア・スタイルでOKです。主食のじゃがいもを使用した家庭料理などを大衆レストラン・ガウドシュテッテで。ドイツワインをケラーで。ドイツビールのほとんどは地ビールで銘柄は6000種。

■スイス料理
チーズ・フォンデュは2種のチーズを溶かしたものに、さいの目に切ったパンをからめて食べる伝統料理。ビールや炭酸系飲料と一緒に食すとチーズが胃のなかで凝固するから注意します。オイル・フォンデュやフォンデュ・シノワーズも有名。秋冬のジビエ料理(野鳥・獣料理)やきのこ類、初夏のアスパラなども人気。お品書きをカルテといい、メニューは定食を意味します。

■オーストリア料理
ウィンナーシュニッツェルと呼ばれる仔牛のウィーン風カツレツやリンズプラーテン(ビーフステーキ)が代表料理。メニュー(シュパイツカルテ)はドイツ語が基本。ほの暗いワインケラーや郊外のホイリゲ(ワインが飲める居酒屋)はメニューなどが近似しています。ザッハートルテで有名なザッハーやデーメルなど、チョコレートを使った菓子類をカフェで楽しむのも一興。

■ハンガリー料理
ハンガリー料理に欠かせないパプリカを使用したグヤーシュと呼ばれる煮込みスープ、ハンガリー風ロールキャベツなど肉料理が中心。ハンガリーワインのなかでもトカイアスーと呼ばれる貴腐ワイン、別名・雄牛の血エグリ・ピカヴェールが特に有名。世界三大珍味フォアグラの産地。レストランはハンガリー語でエーッテレム。カフェ文化はハンガリー帝国時代の名残色濃く、ジョルナイ・ヘレンドなど陶器と料理の相性もみどころ。

■ギリシャ料理
ひき肉と茄子、チーズを混ぜて焼いたムカサ。羊肉、ネギのシシカバブ風スプラキやドルマデス(米やひき肉を葡萄の葉で包んだもの)、タラモタラサが代表的。媚薬としても珍重されたオリーブオイル多用の地中海料理が特徴で、魚介類も美味。ウーゾと呼ばれる度数の高い蒸留酒、ギリシャワインやギリシャビールも。デザートにフラッペは有名。

■トルコ料理
世界三大料理として仏・中と肩を並べるトルコ料理。オスマントルコの進出で、ギリシャ料理や中欧の郷土料理にも影響を与えています。トルコはムスリムが大半を占め、羊肉や鶏肉が用いられケバブ(シュシュケバブやドネルケバブ)は特に有名。トルココーヒーで知られるカフヴェは、コーヒー粉がカップに沈殿、上澄みを飲む感じで。チャイ(紅茶)は店先でサービスされることも頻繁です。

アジアの主要な名物料理

■中国料理
山東、四川、湖南、広東料理など、大きく8つに分類される世界三大料理のひとつ。ロンバン(冷盤)という冷菜に始まり、ルウチャオ(熱炒)、メインのタチュン(大件)、フカヒレスープなどをタンツァイ(湯菜)、デザートをテイエイシェン(点心)と呼びます。卓の座り方には序列があり、円卓は右回し。

■台湾料理
高級レストランや人気店は予約を。会計などのルールは日本とあまり変わりません。台湾料理は担仔麺(ダンズミエンという台湾ラーメン)や牛肉麺、花枝丸(イカのすり身団子)、小皿で楽しむ小吃、豆腐料理や火鍋、薬膳料理などが有名で、日本のファストフード店や和食店も数多く、夜市も比較的衛生的なので神経質にならず楽しめます。

■韓国料理

韓国料理の作法は器を手で持ちあげず、スッカラクと呼ばれるスプーンとチョッカラク(箸)でいただきます。残すのはマナー違反ではなく、キムチをはじめ常備菜が豊富。焼肉はおもに豚肉がメジャーでお洒落な専門店も数多くあります。チゲやチョンゴル鍋、タンといわれるスープ類など滋味あふれるものが代表的です。特にソウルには高級レストランが多く、韓流スター経営の店などは予約をしておくと安心。

■タイ料理
ローカルレストランのメニューはタイ語表記ですが、写真入りで頼めるよう工夫がされています。ホテル・レストランには英語併記があるのが一般。人気店は、できれば予約を。ココナツミルク入りグリーンカレー、スパイシーなスープ・トムヤムクンなどが代表格。香菜パクチーが苦手な人はタイ語「マイ・サイ・パクチー(入れないでください)」を覚えておきましょう。

■ベトナム料理
ライスペーパーに包まれた海老入り生春巻のゴイ・クォンはじめ、魚介を使ったシーフードは魚醤がベースの付けダレで、とても美味。米作が盛んな地だけに米麺のフォー(つゆそば)が名物。地域によって味も異なります。フォーの作法は、香草を好みで乗せライムを絞り、箸とレンゲでなじませてからいただきます。レンゲは左手に持ち、箸と一緒に使うようにしましょう。

■フィリピン料理
辛みのないマイルドな味付けが多いのは、カラマンシーやココナッツビネガー、魚醤などをベースにしているため。淡白な白身魚ラプラプを使った料理や、タマリンドを用いた酸っぱいスープ・シニガンが名物。デザートのハロハロは、フィリピン語でごちゃ混ぜの意味。ウベアイス(紫芋)やナタデココ、フルーツなどを混ぜて食べるのがツウ。
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※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

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