夏本番を迎えているオーストラリア。全土で過去類をみないほど暑い日が増え、北部では多量の雨も降っているため、各所で洪水(川の氾濫)なども起こっています。

そんな中、人気の観光地ケアンズを含む北部エリアにおいて、デング熱が猛烈な勢いで広がっています。既に200人以上の感染が確認され、クイーンズランド州保健局も警戒を強めています。

ケアンズを含む北部でデング熱発生

ケアンズを含むクイーンズランド州北部エリアでは、昨年末から数人のデング熱感染者が確認されていましたが、今年に入ってなおも増え続け、ついに昨日1月23日に200人を超えてしまいました!

現在確認されている感染エリアは、南はタウンズビルあたりからケアンズ近郊あたりまで。一昨日、西部のアウトバック・エリアでも感染が確認されましたし、さらに北部のケープ岬も注意が必要です。

以下、ケアンズとタウンズビルの主な感染エリアを挙げておきます。

<ケアンズとその近郊>
感染者数:190人/1月23日現在
〔感染確認エリア〕Aloomba, Bungalow, Cairns North, Clifton Beach, Earlville, Edge Hill, Kanimbla, Kewarra Beach, Machans Beach, Manunda, Parramatta Park, Stratford, Whitfield.
〔注意が必要なエリア〕Portsmith, Mooroobool, and Trinity Park

<タウンズビルとその近郊>
感染者数:20人/1月23日現在
〔感染確認エリア〕Belgian Gardens, North Ward, Kirwan.

今回流行中のデング熱は、ケアンズでタイプ3(3型)、タウンズビルでタイプ1(1型)とタイプ3(3型)となっています。オーストラリア北部地域においては、小規模の感染は、これまでも過去数例ありましたが、今回のように200人を越える大規模な発生は、戦前を含め過去最悪とか。

クイーンズランド州保健局では、殺虫剤を噴霧するなどし、蚊を発生させる水場などを作らないのはもちろん、蚊に刺されないよう十分に注意することを呼びかけています。

デング熱は怖い?

現在、世界中の熱帯~亜熱帯にかけての地域、ほぼ全域にみられるデング熱。蒸し暑く蚊が大量発生しやすい環境にある地域で発生するため、東南アジアでは毎年のように百~千単位の大規模感染が確認されており、死者もでていますが、オーストラリア北部は同じく熱帯でありながら、これまでさほどその脅威にさらされたことはありませんでした。

ですが、ここ数年の温暖化などに伴う環境の変化も関係してか、北部はこの時期雨季とはいえ、今年はとくに多量の雨が降っている上、暑さがこもってしまうような日々が多くなっているため、蚊にとって絶好の環境になってしまっているようです。

デング熱は、デング・ウイルスを持つハマダラカや熱帯シマカ、ヒトスジシマカによって媒介され、このウイルスを持った蚊に刺されることで感染します。潜伏期間は3~14日とされ、最も多いのが4~7日。感染すると、頭痛、発熱、眼窩痛、筋肉痛、関節痛、発疹、食欲不振、嘔吐、下痢、疲労感などが見られ、白血球が減少し、出血することもあります。

感染エリアに滞在した後、これらの症状が2つ以上出たら要注意です!

また、頭痛がするから…熱があるから…とアスピリン(頭痛薬等)を安易に飲むのは危険。出血している場合は酷くなったり、ライ症候群等を併発する可能性がありますので、すぐに医師の診断を仰ぐこと。

デング熱のタイプは1~4型あり、今回北部地域で発症が最も多い3型と4型は、重症になる可能性が高く、デング・ショックやデング出血熱といったような、一般のデング熱とは異なる重篤な症状に至ることも。ケアンズ保健所ではこの緊急事態を受け、試験的にワクチン投与を行う方向を模索しているようですが、もし感染してしまった場合、治療の特効薬は今のところありません…。ちなみにワクチンも臨床試験段階で、実用化の域には達していないのが現状です。

次のページは、最も有効なデング熱予防策です!ガイド・平野が北部エリアを旅する際に欠かさないアレも合わせてご紹介。これさえちゃんとしておけば、デング熱なんて怖くない!