オーストラリア/ウルル、カカドゥ他ノーザンテリトリー準州

話題作のキーワードは、オーストラリア中央部 世界の中心で、NTとさけぶ

映画そしてドラマ化と大ヒット中の『世界の中心で、愛をさけぶ』。物語中で重要な意味を持つアボリジニの世界観と聖なる地ウルルの2キーワードを有する場所、それがNT。そのオーストラリア中央部の魅力に迫ります!

執筆者:平野 美紀

発行部数300万部突破という片山恭一氏のベストセラー小説『世界の中心で、愛をさけぶ』。
2004年5月から全国ロードショーで公開中の映画は、公開早々に興行トップに!そして今月からはTBS系でドラマとしても放送中という、超話題作。

「美しい純愛もので泣ける!」と評判のこの作品の中に、キーワードとして登場するのが“オーストラリア”だということは、小説を読んだり映画を見たりして、もうご存知の人も多いはず♪

物語の中で、不治の病で若くしてこの世を去る運命にある、登場人物のひとり“アキ”は、オーストラリア原住民族であるアボリジニの世界観に惹かれ、中でも神聖なる地“ウルル”に憧れていたという設定ですが、“ウルル”とは、あの世界遺産でもある“エアーズロック”のもともとの呼び名。「大地(地球)のヘソ」という別名を持つエアーズロックだからこそ、「世界の中心」と呼ぶのにふさわしいのかも(笑)。

映画そしてドラマ共に、実際にオーストラリアでロケが行われ、ドラマ初回でも冒頭シーンに主人公のサク(山田孝之さん)が赤茶けた壮大な崖の上に佇む(?)シーンがあったとかで(…残念ながら、ガイドはまだ見てません…(; ;))、いったいどんなとこなの?と思われた方も多いはず。

“ウルル”のある場所、それがNT

アキが憧れた壮大な景色が広がる“ウルル”のある場所、それはNT(ノーザンテリトリー/Northern Territoryの略)と呼ばれるオーストラリア中央部から北部にかけての(準)州。そのNT南部=オーストラリア中央部をレッドセンターと呼び、その名の通り、赤茶けた大地が広がっている。この物語で描かれているように、まさに360度見渡す限りの地平線と荒野の風景、大自然と原住民アボリジニの生活感が直に伝わってくるNTレッドセンターの魅力に迫ります!


ウルルなのに何故エアーズロック?

夕焼けに染まる神秘的なウルル(エアーズロック)

アキ憧れの地『ウルル』。有名な世界最大の一枚岩は、太古の昔から、そこに暮らす人々から『ウルル』と呼ばれていた。なのに、なぜ『エアーズロック』なの?と疑問に思った人も多いのでは?

なんたって、あの岩は何億年も前からそこにあり、そにで暮らす人々から『ウルル』と呼ばれていたのだから、正式名称はやっぱり『ウルル』。

でも、そんなことはどうでもいい(?)西洋人の入植により、1873年にこのあたりを調査したウイリアム・ゴスという探検家がこの巨大な岩を見つけ、当時彼の探検隊を派遣した(後の)南オーストラリア州知事ヘンリー・エアーズ卿の名にちなんで、『エアーズ・ロック』と名づけた。つまり、西洋人が初めて見た時に勝手につけた名前が『エアーズロック』だった…というわけなんですね(笑)。(勝手につけるなっつーの!)

西洋人達は、そこに暮らしていた人々を追い出し、勝手に新政府の土地とし、国立公園に指定。その後1987年に初めて世界遺産に登録され、再度1994年に追加登録をされたのを機に、翌年1995年、それまで「Ayers Rock-Mount Olga National Park/エアーズロック-マウント・オルガ国立公園」としていた名称をもともとの名称『ウルル』に戻し、「Uluru - Kata Tjuta National Park/ウルル-カタ・ジュ(チュ)タ国立公園」と改めた…という経緯がある。このため、現在では正式名称である『ウルル』と表記するようになってきている。

現在はすでに、周辺の土地はもともとこの地で暮らしていたアボリジニ・アナング族の人達に返還されており、政府が借り上げる形で国立公園として運営。両者の共同管理となっている。詳細はこちらで。

エアーズロック関連情報

■次では、NTレッドセンターの中心「アリス・スプリングス」をご紹介
そして気になるドラマのロケ地はどこ?→

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