オーストラリアの英語事情
公園のベンチで読書するオージー
移民の多いオーストラリアでは、英語だけを使う家庭の割合は8割。残り2割の家庭では英語以外の言語も使っていて、それぞれ出身の国によって訛りもあり、聞き取りにくいこともあります。
またオージー(オーストラリア人の通称)はとにかくスラングが大好きなのでオージーがよく使う『オージー英語(オーストラリア英語の通称)』を知っておけば、オーストラリア旅行の楽しみも広がるはず! 今回は観光でも使える英語を中心にオージー英語とコミュニケーションについてご紹介します。
覚えておきたい、オージー英語の発音
オーストラリア英語は歴史的にイギリスの植民地だった歴史からも基本的にイギリス式に近い英語が使われています。しかし、イギリス出身の移住者の方とオーストラリアで生まれ育ったオージーとは発音も異なります。オージー英語の発音の大きな特長はA「エイ」の発音を「アイ」と発音すること。例えば、名前=name「ネイム」は「ナイム」となり、日=day 「デイ」は「ダイ」のようになります。What is your name?「あなたの名前は?」なんて中学の低学年で習うような英語を聞かれているだけなのに名前の部分が「ナイム」と聞こえてしまうため、またオージーは皆比較的、話すスピードが速いため、こんな簡単な会話さえ何を言ってるかわからずへこんでしまうことも……。
ニュースのアナウンサーでさえ、「今日の天気は……」と話すとき、「トゥダイの天気は……」という具合。この基本的な発音の特長を知っているだけで、意外と聞き取れる単語が増えると思うのでまずこの発音の基本を頭に入れておきましょう。
オーストラリア独特の英語
週末にビーチで開かれるマーケット
まずはTa「タ」。これはお店で買い物をしたときなど、いろいろな場面で使われる「ありがとう=Thank you」(サンキュー)が短縮されたものですが、スーパーのレジで精算したあとなどに使われることが多いです。この言葉を聞いたら、こちらも「タ」と返してみましょう。オージー気分になること間違いなし!
その他、単語の語尾をieにしてしまうクセもあります。例えば、朝食「breakfast」は「brekkie=ブレッキー」、バーベキュー「barbecue」は「barbie=バービー」、蚊「mosquito」は「mozzie=モジー」といった感じです。蚊がモジーって何だか可愛く思えますよね。マクドナルドの看板にはしっかりと「brekkie from 6am=朝食は朝6時から」のように書かれてあり、オージーの日常ではスラングも定着した言葉として使われているんです。
オージーとのコミュニケーション
オージーのイメージといえばフレンドリーという言葉がピッタリ。そのフレンドリーさはどこから来るかといえば、Mateship(マイトシップ=オージー式発音でメイトシップではなくマイトシップと発音)いわゆる仲間意識から来たものです。街中を走るタクシー
日本の感覚だと、何だか適当に扱われている気がするかもしれませんが、悪気もなく、それがオージー文化なのでカジュアルでフレンドリーな雰囲気でオージーとのコミュニケーションを楽しみましょう!
とっても便利なオージー英語
オージー達の会話が飛び交うレストラン
通常、人に何かをしてもらったときは「ありがとう=Thank you」、「どういたしまして=You are welcome」という会話をしますよね。どういたしましての部分はイギリス式ならもうすこしかしこまって「My pleasure」ということもありますが、オージーは「No worries」が定番。
とにかくどんな場面でもこの言葉は使われます。レストランでオーダーしたものが運ばれてきたとき、道を尋ねたとき「Thank you」とお礼をいえば「No worries=どういたしまして」。「これ、何か問題ない?」って聞いたとしてもきっと「No worries=大丈夫だよ」と返ってきます。
とにかく頻繁に使われる言葉なので、自分が何かをしてあげたとき、例えばエレベーターで先を譲ったとき、「Thank You」と言われたら、明るく「No Worries」と言ってみましょう。この一言でオージーとのコミュニケーションもバッチリのはず。発音など細かい事は気にせずNo Worriesでトライ!
ホテルやレストランで見かける、覚えておきたい英語
旅行でホテルやレストランを訪れた際に見かける、覚えておきたい単語を少しご紹介します。■BYO
BYOの看板があるレストランではビールやワインの持ち込みがOK
エレベーターについて、オーストラリアではイギリス式のリフト(Lift)という言葉が使われ、また階数の数え方も異なります。日本の地上1階はGF(グランドフロア)、日本の2階はオーストラリアの1階という数え方をします。なので1階で待ち合わせ、といった場合、地上ではなく、日本でいう2階に相当しますのでお間違えのないように。
■Smoking Free
最後に気をつけておきたい英語「Smoking Free」。これ、よく皆さん勘違いします。「No Smoking」と書かれれば禁煙とわかるけれど、Smoking(煙)がFree(自由)なんだから、ここではタバコを吸っていいんだと。いえいえ、この意味も同じく禁煙なんです。Free Smokingならタバコを吸っていいですよ、という意味ですが、Freeが後に来るだけで全く逆の意味になってしまうので、間違えて喫煙しないように注意してください。ちなみにオーストラリアでは公共の場所はすべて禁煙です。
「今週のサンダイ(日曜日)はビーチでバービー(バーベキュー)しようよ、でもモジー(蚊)が多いかもしれないから虫よけ持参ね。」
「ノーウォーリーズ!(OK!)」
なんて、こんな会話ができればあなたもオージーに一歩近づく(?)かも!