NYでのアーティスト活動開始
ニューヨークで頑張っている人は何でも自分の足で探す |
NYで絵を置いてもらえるきっかけになったのは?
山路さん:
最初 は日本で行われたコンクールで入賞し、NYのソーホー(SOHO)にあるギャラリーに展示されるきっかけができたんです。その後、偶然夫がNYへきて働くことになったので、再び戻ってくることができました。
今展示していただいているギャラリー(Ward Nasse)は、自分の足で探しました。ソーホーをうろうろしていて、10ドルのプリントからオブジェまで置いてあるポップなギャラリーを見つけたんです。ここだったら一般の人も入りやすくて、いいなぁと思って。たまたま展示用に持ってきていた私の絵を見ていただけることになって、そして置いてもらえることになったんです。
ガイド:
さて主婦とアーティストで両立の大変さは?
山路さん:
油絵の具は出しっぱなしの状態で、料理や洗濯などはいつでもすぐに、取りかかれるようにしています。掃除や買い物などは、絵具を乾かしている間などにやるようにしています。浮かんでくるイメージが消えないうちに留めておきたいので、常に複数の絵を、一日中、時間のある限り描いています。時間にすると、忙しいときは5時間、集中するときは10時間くらい描いてます。
ガイド:
私だったら、主婦のほうの手をぬきそうですが、京子さんは主婦もキチンとこなしてるタイプなのですね。最後に、NYへ来るアーティストを目指す人にアドバイスなど。NYでアートを展示するにあたって大変なことは?
山路さん:
ここでは経歴もキャリアも関係なく、作品そのものが勝負なので、自分のアートが日本以外でも受け入れられるものであれば、NYで展示するのは日本より簡単だと思います。作品の発表の仕方も日本よりバリエーションがあり、ストリートで発表する人もいますし、アートの敷居は日本よりずっと低いような気がします。
またギャラリーを選ぶ際は、街の雰囲気、にぎわう通りぞいかどうか、1階かどうか、ギャラリーの宣伝力、販売力など、とにかく様々なので、やはり自分の目で見て、自分の作品に合った画廊を見つけることが一番だと思います。
最初にNYへ来たとき、チェルシーのギャラリーでフランスなど各地から来ているアーティストにたくさん出会いました。NYは今では世界の文化の中心なので、アメリカだけじゃなく、ヨーロッパ、南米、中東、アジアと世界中から人もアーティストが集まってきているので、例えばここにいながらにして、中米や南米の文化やアートに触れることもできますし、日本にいたら受けることがない様々な刺激があるんです。
またカルチャーのミックスもNYならでは。アフリカやジャマイカのアートが混在してたり、西洋の美術とアフリカ人のアートがミックスされていたり。パリでは見れない、そういうミックスカルチャーが見られるのもNYだなぁと思いました。 そういう意味でも日本やヨーロッパとはまた違ったものが発見できるのではないかと思っています。
【インタビューを終えて】
スペインでもアートをギャラリーで販売している山路さん。インターネット国際アート/フォト・コンテストの入賞を通じ、スペインのギャラリー(Sala Barna)から展示会の話がきて、すでに彼女のアートが数枚ほど売れたという。
日本では、動物だと、犬や猫のようなかわいい動物のアートが売れすじなので、彼女の描くアートは、なかなか受け入れられにくいと言われたそうだ。ところ変われば、自分の絵が評価されるところがあるのだと、再認識したという。
山路さんの絵は、彼女の見た目からは想像できない濃さがあり、まるで、日本茶を入れたはずなのに、ものすごく苦いコーヒーだったみたいなインパクトだった。
ニューヨークで暮らす前の山路さんのこれまでの生活については、次回お伝えする。
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