日本のジュエリーは美しさ、欧米のジュエリーには精神的なものもある! |
「コンテストに出てるものでも、海外からの作品はコンセプト重視で、日本のものとは違って感じた。日本のモノは単純に美しいものに惹かれてデザインされてるものが多いけど、アメリカやヨーロッパのものは、デザインに精神的なモノが入っているの。
たとえばリングは、ワッカで指にはめてって思うけど、リングを輪廻というもののテーマで、つくったりしている欧米のデザイナーがいたり。もう一つは、海外のジュエリー業界の実情を知りたかった。
それでFITに入ることにした。ファッションショーとかにつけるジュエリーにも興味あったから、FITだったらファッション全体の流れが学べると思って。1年のジュエリー・コースに通ったの。
ちなみにジュエリー科にはデザインとスタジオがあり、スタジオの授業内容は宝飾職人としての必要な技術を叩き込まれる。
ところが、実際は全く他の学科との交流が無くって・・・ファッション全体って意味ではちょっと違ってた。その上、ジュエリーに関しては多くのことをつめ込まれてハード。だけど、学んだことが今までの経験とプラスになったかな。」
卒業後はプラクティカルトレーニングビザで、あちこちを渡り歩いたという。それでは、ユカちゃんの考えるアメリカのジュエリー業界と日本のジュエリー業界の違いとは?
「まずジュエリーって、美術館でアートとして展示されるものや、ハイジュエリー(カルティエやハリー・ウィンストンなど)なもの、婚礼用のジュエリー、その他がある。そうした中、アメリカではジュエリーだけを扱うギャラリーも多く、ジュエリーが美術館でちゃんとアートとして位置付けられているけど、日本ではまだまだその辺が浅い。
とはいえ、意外だったのはNYのアートギャラリーはコンサバティーで、クラシックなものが多いってこと。モダンでも重い雰囲気のものが多いかな。異素材を使うのが好きな私の作風にあわなかった。」
現在ユカちゃんのOビザ(世間ではアーティストビザと称されている。科学、美術、教育、ビジネス、又は運動等で業績ある外国人に発行されるビザ。)のスポンサーであるボストンのケンブリッジにあるMobiliaというギャラリーは、彼女の作品に一番あうギャラリーだったとか。
ジュエリーデザイナー<後編>では彼女がどうやってギャラリーに売り込んだのか、そして911以降に彼女の作品に対する意識がどう変わったのかを語る!
アメリカでウェブデザインの会社を起業した日本女性
アメリカのウェブ業界<前編>
ボディコンに火をつけたデザイナーNYへ
NYでデザイナーとして活躍