ニューヨーク/ニューヨーク関連情報

現役デザイナーは語るNYのデザインは意外にコンサバ ジュエリーデザイナー(3ページ目)

5番街のティファニーを代表とするニューヨークの煌びやかなジュエリー。そのジュエリー業界で活躍している日本人デザイナーに直撃インタビュー

執筆者:溝口 弘恵

日本のジュエリーは美しさ、欧米のジュエリーには精神的なものもある!

「コンテストに出てるものでも、海外からの作品はコンセプト重視で、日本のものとは違って感じた。日本のモノは単純に美しいものに惹かれてデザインされてるものが多いけど、アメリカやヨーロッパのものは、デザインに精神的なモノが入っているの。

たとえばリングは、ワッカで指にはめてって思うけど、リングを輪廻というもののテーマで、つくったりしている欧米のデザイナーがいたり。もう一つは、海外のジュエリー業界の実情を知りたかった。

それでFITに入ることにした。ファッションショーとかにつけるジュエリーにも興味あったから、FITだったらファッション全体の流れが学べると思って。1年のジュエリー・コースに通ったの。

ちなみにジュエリー科にはデザインとスタジオがあり、スタジオの授業内容は宝飾職人としての必要な技術を叩き込まれる。

ところが、実際は全く他の学科との交流が無くって・・・ファッション全体って意味ではちょっと違ってた。その上、ジュエリーに関しては多くのことをつめ込まれてハード。だけど、学んだことが今までの経験とプラスになったかな。」

卒業後はプラクティカルトレーニングビザで、あちこちを渡り歩いたという。それでは、ユカちゃんの考えるアメリカのジュエリー業界と日本のジュエリー業界の違いとは?

「まずジュエリーって、美術館でアートとして展示されるものや、ハイジュエリー(カルティエやハリー・ウィンストンなど)なもの、婚礼用のジュエリー、その他がある。そうした中、アメリカではジュエリーだけを扱うギャラリーも多く、ジュエリーが美術館でちゃんとアートとして位置付けられているけど、日本ではまだまだその辺が浅い。

とはいえ、意外だったのはNYのアートギャラリーはコンサバティーで、クラシックなものが多いってこと。モダンでも重い雰囲気のものが多いかな。異素材を使うのが好きな私の作風にあわなかった。」

現在ユカちゃんのOビザ(世間ではアーティストビザと称されている。科学、美術、教育、ビジネス、又は運動等で業績ある外国人に発行されるビザ。)のスポンサーであるボストンのケンブリッジにあるMobiliaというギャラリーは、彼女の作品に一番あうギャラリーだったとか。
Mobilia Galleryでの"Japanese Jewelry and hollowere"Exhibitionに展示中

ジュエリーデザイナー<後編>では彼女がどうやってギャラリーに売り込んだのか、そして911以降に彼女の作品に対する意識がどう変わったのかを語る!


 


【NYで活躍するデザイナーの関連記事】

アメリカでウェブデザインの会社を起業した日本女性
アメリカのウェブ業界<前編>


ボディコンに火をつけたデザイナーNYへ
NYでデザイナーとして活躍
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※海外を訪れる際には最新情報の入手に努め、「外務省 海外安全ホームページ」を確認するなど、安全確保に十分注意を払ってください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます