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アメリカでウェブデザイナーとして生きていくなら? アメリカのウェブ業界<後編>

アメリカでウェブデザインの会社を起業した日本女性にインタビュー。アメリカを拠点に活躍中のウェブデザイナーからアドバイス。

執筆者:溝口 弘恵


アメリカのウェブ業界<前編> に続き、アメリカでウェブデザインの会社を起業した日本女性にインタビュー。今回は、アメリカを拠点に活躍するウェブデザイナーとしてアドバイス。

日本の流れの速さに疲れちゃった・・・

アメリカに来てよかったことは?

「個人的にはアメリカの方が創作に向いてる気がするので、仕事しやすい。日本に久しぶりに帰ると、街が忙しいから疲れたかも。日本語は自分の母国語だってせいもあるけど、目に飛び込んでくる情報が多すぎて・・・。日本の方が広告や看板も多いし、それらは互いに調和してなくて、それでも無意識に理解してしまうから、今までよくこんな所で生活してたなって思うくらい。

オフィスにてウェブ・デザイン中の野原木綿子さん日本には、流行が仕組まれていてそれを軸にデザインも展開していってるような気がするけど、アメリカは表現に多様性があるしジャンルが広い。こんなの誰が買うのっていうようなモノが売れてたりするでしょ?どちらもそういった違いが面白いのだけれどね

デザイナーはやはりマック派確かに、日本ではダッフルコートが流行れば、猫も杓子もダッフルコートを着てることがある。だけど、ニューヨークにそれはない。メジャーな衣料品メーカーがベストを流行らせようとショーウィンドウに飾っていても、誰も着てなかったりする。反対に私がニューヨークで驚かされたのはマニアなショップが多いこと。ファイアーファイター(消防士)が身に着けるもののレプリカを集めるマニアがいるせいで、専門のショップがあったり。いかついお兄さんのポスターが入り口に貼ってある、ゲイ専門のレザー洋品店なんてのも存在する。

「日本は流行の移り変わりが速いせいか、絵を描く人やデザイナーによって創作された、あらゆる表現も消費されるのが速い。だから半年先の予測がつかない。その人自体が変わったり、価値が下がったわけじゃないけど、皆すぐ次に流れていってしまって。新しいものが出たら飛びついていって、1年後には飽きられるってことの繰り返し。

流行はあってもいいけど、残っていくものが創れない。私たちには、それを止めることができないし、そこで意地をはって生きていくわけにもいかないから、少なくとも一つ一つ着実に情報を整理し、自分や周囲の環境と向き合いながら制作することが出来るアメリカに移住して正解だったかな。ものすごく仕事も人生も充実してるし。」
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