京都の伝統と文化、はんなりとした京舞
左側の小富美さんが京舞・口切を右側の豆花さんがお点前をされ、お二人のはんなりした動きに見とれてしまいました。 |
座敷舞として祇園の地でうまれ、そして祇園の人々によって伝承されてきた井上流・京舞。この京舞は、上方舞の流派のひとつで、江戸時代に、そしてここ祇園の地で確立されました。そのため京都固有の特色を持つ井上流を特に「京舞」と呼びます。
祇園甲部・井上流でも舞の名手として、有名な小富美さんが「口切」(※1)の舞を披露されました。井上流は、腰を下げ、すり足の独特の動きが特徴的で、はんなりとした色気のある舞は、女性の私でもドキドキします。会場は、一瞬のうちに、まったり(ゆっくり、ゆるり)とした小富美さんの舞いに、皆が包みこまれたような空気が流れました。
次ぎは、舞妓さん数人で定番の舞「祇園小唄」(※2)を披露。先程の口切とは違い、可愛らしさと華やかさで心がウキウキする感覚でした。
※1 口切
春に摘まれた新茶を茶壷に詰めて熟成させ、11月の茶事で茶壷の封を切って、お茶を立てること。京舞井上流では、袱紗を小道具に用いたり、扇を茶杓に見立てたりと、茶の湯の点前を振りに取り入れながら淡い思慕の情を表現。
※2 祇園小唄
祇園情緒豊かに四季折々を歌い上げた曲に、だらりの帯を揺らめかせた舞妓さんが舞うこの曲は、祇園を代表する舞となっている。
秋のお菓子で美しいお点前を楽しむ
場所を変え、お茶席にて、芸妓豆花さんによるお点前を披露。豆花さんの美しさに魅了されながら、美味しい秋の風情のお菓子とお茶をいただき、皆さん大変満足顔でした。 |
この豆花さんは、昨年の時代祭の巴御前役をされた方で、その美しさは、入って来られた時、ハッと息を飲むほどです。今回のお茶会では、自前の髪で京風の島田というお茶時独特の髪型と着物でお点前を披露。着物の衿の部分は、裏返しにされ赤色の裏の衿を見せるなど、独特な着こなしをされておれ、何もかもが大変興味深かかったです。
舞妓さんもお運びさんをされたので、間近でお顔を拝見する事できます。 |
舞妓さん達も順々にお茶を運ばれ、立礼なので気構えせずに美味しいお菓子とお茶を頂くことができました。そして、最後に舞妓さん一同が列をなし、華やかなお送りをしていただきました。
京舞や芸姑さんによるお点前など普段、滅多に見れないものばかりで、普段の世界とは、かけ離れた非日常の世界を楽しめ、大変面白かったです。
着物を着て出かける楽しさも味わえ、普段、接することのできない伝統や文化の奥深さを知り、又それを維持する大変さも感じられました。やはり、伝承をしていく大切さの中には、多くの方に知っていただくという事も必要なのかもしれませんね。
次の会の方が始まるのを待ち並ばれています。4回とも大盛況だったようです。また沢山の方が着物で来られていたのも、京都ならではのイベントですね。 |
これから、来年以降も、このような京の伝統と文化をテーマにしたイベントをされる予定です。今回は、5部構成で各回100名もの方を無料で招待され、多くの方が堪能されました。一部の特別な人達だけでなく、私を含め一般の方々が楽しめるというのが、このイベントの良さだとも思います。次は、どのような企画されるのか待ちどおしいです。
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