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なんだこりゃ~と叫びたくなる沖縄本登場

いま、沖縄でもっとも注目されている本が「なんだこりゃ~沖縄」。漫画、映画、雑誌の中に描かれた沖縄を検証、徹底的に突っ込みまくったサブカルチャーブックです。

執筆者:鈴木 雅子


なんだこりゃ~沖縄と叫びたくなる県産本

なんだこりゃ~沖縄を著したわうけいさおさん
なんだこりゃ~沖縄を著したわうけいさおさん
いま、沖縄でもっとも注目されている本があります。それが「なんだこりゃ~沖縄」。著者は「わうけいさお」さん。漫画、映画、雑誌の中に描かれた沖縄を検証、徹底的に突っ込みまくったサブカルチャーブックです。

例えば、ブラックジャックは八重山に島を持っている、映画「網走番外地」がなぜか沖縄を舞台に健さん大活躍。また、「ドカベン」では沖縄の高校が3校も出場していた、「走れケー100」は沖縄でハブに咬まれた、などなど。

著者「わうけいさお」さんの別名はオタッキーさん♪ ここではオタッキーさんと呼ばせていただきます。

「ウレー チガトーン アラニ?」(それはちょっと違うんじゃないの?)と思ったことが発端となり、フィクションの中の沖縄を徹底的に追いかけ続けて20年のオタッキーさん。

最初はネットの世界で色んな意見交換を始めたそうです。いつの間にか、オタッキーさんはネットで「その道のヒーロー」に……。そこから縁が広がり、沖縄の新聞やラジオで活躍するようになりました。

最初にオタッキーさんが「なんだこりゃ~!」と、怒りを通り越して哀しくなったこと、それは怪獣映画でした。1974年に製作された「ゴジラ対メカゴジラ」です。当然ながら沖縄が舞台。

沖縄の子供たちのトラウマになった映画?

映画には、琉球の守り神「キングシーサー」が登場します。

ゴジラとともに悪者メカゴジラと戦うキングシーサー。沖縄の子供たちは、期待に胸を弾ませて映画館に出かけたことでしょう。

当時、オタッキーさんは小学6年生。この映画を観にいきませんでした。映画館に行った同級生たちに「どうだった?」と聞くと、みんな「ゴジラとキングシーサーが勝つよ」とだけ答えて、多くを語ろうとしなかったそうです。

その謎は、大人になって解けました。子供のときのことが気になっていた彼は、レンタルビデオ屋さんで1974年版「ゴジラ対メカゴジラ」を発見し、早速観賞。

当時の同級生たちが、なぜに多くを語ろうとしなかったのかを瞬時に理解したのです。ストーリーを簡単に紹介しますと……

沖縄で話題のなんだこりゃ~沖縄
沖縄で話題のなんだこりゃ~沖縄です
万座毛のなかで眠り続けるキングシーサーを覚醒させることのできるのは古代王家の血を受け継ぐ孫娘という設定です。

彼女の歌う「ミヤラビの祈り」じゃないとキングシーサーを呼び起こせない重要な場面で流れたのは……、

「青いコーラル♪」とか「キングシーサー♪」という歌詞の入り混じった昭和歌謡でした。

古代琉球の歌が、なぜに日本語。しかもカタカナ言葉??? いや、英語???

それに、この歌に応じて万座毛をぶち破って登場したキングシーサーの弱いこと! シーサーというよりは犬みたいな怪獣です。

ゴジラの助けを得てやっと勝ったキングシーサーは、再び万座毛の中にもぐり込んで眠りにつくのですが、そのシーンはどう見ても「ハウス!」と命令された犬のポチ状態。

この映画こそ、沖縄の子供たちに、トラウマ(日本へのコンプレックス)を植えつけたのではないかと分析するオタッキーさん。

このように、「なんだこりゃ~沖縄」は長年にわたって収集した資料をもとに日本と沖縄を徹底的に分析した、目からウロコのサブカルチャー・ブックです。今までにない沖縄県産本といってよいでしょう。

なお、同書はただいまアマゾンで品切れのため、沖縄の出版社ボーダーインクから直接お買い求め下さい。同社のサイトで、ちょっと立ち読みが可能です♪
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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