沖縄の観光・旅行/沖縄関連情報

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日本最南端の「沖縄県」についての理解を深め、もっともっと沖縄を好きになっていただくために沖縄の基本情報をどーんとご紹介!

執筆者:鈴木 雅子

沖縄県の歴史

【琉球人】
1967年、沖縄県具志頭(ぐしかみ)村で化石人骨が発見されました。1万8000年前の現世人類でした。中国大陸の南部に住む人たちに近いといわれています。

この化石人骨は発見された場所の地名から「港川人」と呼ばれ、具志頭村立歴史民族資料館には全身像のレプリカとともに、これまでの研究成果が紹介されています。

琉球王朝時代の貿易図
琉球王朝時代の貿易図"
【琉球王国】
日本の鎌倉幕府時代、12世紀頃ですが、沖縄の各地では地域の有力者である按司(アジ)が登場してきます。互いに戦を繰り返して14世紀後半になると、沖縄本島には3人の強い按司が勢力を誇るようになりました。それぞれが沖縄本島の南部、中部、北部を縄張りにしたことから「南山」「中山」「北山」という3つの国を作ります。

15世紀初頭、日本では室町時代ですが、南山の支配下の按司「尚巴志」(ショウハシ)が、中山王の王位を奪い、さらに北山、南山を統一し、1428年に「琉球王国」を誕生させました。これが第一尚氏王統です。

琉球王朝は中国との交易に力を入れています。日本をはじめ各地で仕入れた商品を中国に運び、今度は中国の商品をベトナム、タイ、マレーシアなどに運ぶという中継貿易です。この交易によって、沖縄の伝統工芸も発達しました。焼き物や織物、漆などです。

【沖縄と日本】
1951年、豊臣秀吉の朝鮮出兵の命に従わなかったとして、琉球は薩摩(鹿児島)の侵攻を受けてしまいます。琉球侵略は中国貿易の利益を取り上げるのが目的だったとも言われています。1609年、琉球は以後の270年間、薩摩の支配下に置かれます。

沖縄県立博物館所蔵の進貢船の図
沖縄県立博物館所蔵の進貢船の図"
そして1871年(明治4年)、明治政府による廃藩置県で薩摩藩は「鹿児島県」となり、ひとまず琉球は翌72年に尚泰王を藩王とする琉球藩となりました。琉球藩が「沖縄県」となり、日本の主権下に入ったのは1879年です。

1609年以来、琉球は薩摩の支配下にありながら中国にも仕えるという「両属」を強いられていましたので、日本の主権下に置くということは、琉球と中国の関係を断ち切ることとなりました。これを「琉球処分」と言います。500年にわたる王国の歴史は幕をとじたのです。

琉球王国の世界遺産を巡るとき、この歴史を頭に入れて置くと、より一層理解できるでしょう。

【沖縄戦】
大正末期から昭和にかけて、沖縄は日本の不況の影響を受けて食べるものすら無いという状況に置かれます。有毒植物のソテツの実を毒抜きしてまでも食べました。この時の恐慌を「ソテツ地獄」と呼んでいます。

生活できないため、多くの人々が移民としてハワイや南米などに渡りました。そのため沖縄県は「移民県」と呼ばれたほどです。

その後日本では軍部が台頭し、急速に軍事国家と化してゆきます。天皇を敬う皇民化教育が進められ、沖縄県でも独自の文化や言語、風俗が否定されるようになります。

旧海軍指令壕
旧海軍指令壕
1941年、太平洋戦争勃発。1945年4月、アメリカ軍が沖縄本島に上陸。このとき沖縄では今の中学生や高校生ぐらいの学生たちが「通信兵」や「特攻切り込み隊」、また女子は補助看護婦として戦場に駈りだされていました。

90日間にわたる沖縄戦では日本兵6万6千人、沖縄出身兵2万8千人、アメリカ兵1万2千人、一般住民9万4千人が亡くなっています。県民の4分の1が亡くなったことになります。

沖縄にはガマ(洞窟)がたくさんあります。沖縄戦では、住民達の避難場所となりました。しかし戦争が激しくなると日本兵がガマに押し入り住民を追い出したり、集団自決を強制するといった修羅の場所となりました。アメリカ軍の火炎放射で焼き殺された人も大勢います。


沖縄の概要 位置・面積・気候・人口・産業
沖縄の自然 サンゴの島・独自の動植物・自然体験
沖縄の歴史 琉球人・琉球王国・沖縄と日本・沖縄戦
戦後の沖縄 アメリカ時代の沖縄・日本復帰から今日まで
沖縄の文化 ニライカナイ・御獄信仰・祖先崇拝・沖縄方言
沖縄の伝統芸能 民俗芸能と宮廷芸能・島唄の世界・三線
沖縄の工芸と食 焼物・染め織物・琉球漆器・琉球ガラス・沖縄の食
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