クチャとは沖縄でしか取れない泥岩です。琉球王朝時代から、沖縄の女性たちはクチャを乾燥させて髪洗い粉として使用したり、そのまま顔に塗り泥パックにしていたそうです。
以前は銭湯などでもよく見かけました。昔の写真で見ると、沖縄女性の髪が見事なほどに真っ黒で艶々していたのはそのせいかもしれません。
沖縄では、おおよそ30年前までクチャを美容品として愛用していたとのことですから、沖縄が日本に復帰して以降、化学製品万能の神話に押されてそれらの天然素材が軽んじられていったのでしょう。
ところが、近年の自然志向・健康志向によって昔ながらの天然素材が見直されています。沖縄のクチャには地中海や死海の粘土と同様の性質があることが、最近の研究でわかってきました。
地元情報によりますと、クチャそのものは那覇市の公設市場あたりで今も売られており、愛用しているオバァたちも多いそうです。価格は200~300円とのこと。
<↑クチャを主成分とする皮膚パック「スマックダブ」です>
なぜクチャが美容に良いとされるのかについて、クチャの成分が雲母、スメクタイト・クロライト・カオリナイトの100ミクロン以下の微粒子から成り、この微細な粒子が強い化学的吸着性を持っていることに関係しているようです。これだけの微粒子を持つ泥岩は、日本では沖縄以外には無い!そうです。
沖縄のクチャは、第三紀鮮新生代(約500年前)に大陸の泥が流入して沖縄の海に蓄積、その土が火山活動で隆起(島尻層)した「海成堆積物」です。
長い年月をかけて海底に堆積したことで海洋生物の影響を受け、通常の粘土鉱物より、珪酸、酸化アルミニウムなどのミネラルを豊富に含んでおり、栄養効果もあるそうです。
クチャの持つ美容効果が科学的に証明されたことを受けて、新商品も生まれました。いまや沖縄のエステサロンで使われているだけでなく全国の美容業界からも注目されています。
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