1ページ ■ 世界でも稀有な泡盛の古酒
2ページ ■ 泡盛は古酒!と言い切る山川酒造
3ページ ■ 泡盛初のヴィンテージ表記


■ 世界でも稀有な泡盛の古酒

むかしむかし、沖縄の旧家では、銭蔵のカギを主人が家人に預けることはあっても、古酒蔵のカギだけはどんな時でも肌身はなさなかったと言います。泡盛の古酒とは、それほど貴重なものだったのです。

カメで貯蔵中の泡盛「泡盛」はウィスキーやブランデーと同じ蒸留酒ですが、これらの酒が生まれる前の1420年頃から造られています。交易を通してシャム(現在のタイ)から伝えられたそうで、インディカ米(タイ米)をつかうのが特徴です。この米が、泡盛独特の風味をもたらしてくれるのです。

また、樽で寝かせるウィスキーやブランデーと違い、カメやタンクで熟成させるため無色透明で、原材料となる米の風味がよりいっそう感じられるお酒です。

泡盛のもう1つの特徴が「泡盛麹菌」です。黒麹菌の一種で、酸をよく作り、でんぷんの消化力が強く、風味にも優れているという特質を持っています。

そして、最大の特徴が「古酒」です。

できたての泡盛を貯蔵すると、年月とともに香味が良くなるという現象が現れます。これを熟成と呼び、次のような原因が考えられています。

(1)泡盛の香気成分から刺激的香味が消え、芳香が強くなる。
(2)アルコール分と水分の時間変化で味が丸くなる。
(3)カメで貯蔵した場合は、カメ壁面の呼吸作用などで味や香気が変化する。

カメに入った古酒とくに常圧蒸留泡盛は、減圧蒸留で造られたものより熟成効果が大きくなるそうです。しかも「仕次ぎ」(記事参照)という手法により、泡盛は半永久的に熟成させることができる世界でも稀有な酒となりました。

百年、いえ、それ以上の古酒を大事に慈しんでいる家もけっこうあったそうで、古酒は、一族の祝い事などには欠かせないお酒でした。

ところが第二次世界大戦で焦土と化した沖縄……。

戦前から保存されていた古酒の多くは失われてしまったのです。わずかに戦火を免れた古酒のみが今も芳香をかもし出しているそうですが、滅多にお目にかかれなくなってしまいました。

数十年の時を経た古酒を飲んでみたい…。誰もが描く夢です。

さて、もっとも古い古酒を販売している酒造所があります。本島本部町の山川酒造さん。ここには30年超過!の超一級古酒があるのです。詳しくは次のページをどうぞ。