■ 沖縄ガイドの目から見た移住の現状
空前の沖縄ブームですよね。毎年2万人以上もの人が移住しているそうですが、もしかしたらもっと多いかも知れません。
総務庁による平成11年の「推計人口」によりますと、都道府県別の人口増加率は沖縄がダントツの1位です。出生・死亡の自然動態が全国1というだけではなく、社会動態としての県外からの転入も数字を上げる要因となっているようです。
私が移住した2年前よりも、さらに加速している気がします。「石を投げればナイチャー(内地から来た人)に当たる」と冗談の1つも言いたい今日この頃の沖縄。
とくに那覇では、住民票を移さない長期滞在者が非常に多い。彼らは国際通りのゲストハウスなどに滞在し、バイトで生計を立てているようです。こうした人たちも含めたら、ものすごい数のナイチャー(本土の人)が、沖縄に住んでいることになります。
沖縄を好きになった人が口を揃えるのが、ゆったりとした時間の流れです。時間に追いまくられ、人生が磨耗する感覚を無意識に感じている現代社会のなかで、沖縄のみは強烈なアイデンティティーに裏付けされた独自の文化を保持し続けています。それは日本にないものであり、また、高度成長の過程で日本が失ってきたものたちです。
しかし、いざ暮らすとなれば、沖縄の独自性に馴染めない移住者も出てきます。せっかく沖縄で暮らしながら、沖縄の人たちと交流できない人たちも多いのです。
私の知る例では、1つのアパートがまるごと移住者で占められており、彼らはアパート内だけで自己完結し、ウチナーンチュ(沖縄の人)との付き合いを一切拒否していました。
離島によっては、島民よりも移住者の数が多いという島もあります。そこでは、島人のコミュニティーと移住者コミュニティーが断絶しています。
これは、移住した方々が、暮らしていく手段として、観光産業などを通して本土と関わるケースが多いせいもあるでしょう。
本土から来たからこそ、本土の要求するものが見える。ウチナーンチュが気づかない沖縄のニッチを捉えてビジネスを展開し、沖縄での生計に結び付けていく人たちも多いようです。
でも、移住された方々が最初からその積もりだったわけではありません。沖縄の自然だけでなく、暖かい人間関係に惹かれて移住された方も多いのです。ところがなかなか、ウチナー(沖縄)のなかに溶け込めない。これが目下の、一番の問題となっているようです。
全ての現象には表裏があり、良さは悪さ、長所は短所と同一ですよね。ものごとを良い意味で捉えて沖縄に来た。なのに、今度はまったく同じものを悪い意味で解釈してしまう。それがまた、ウチナーンチュとの距離をひろげてしまう場合もあり、「こんな筈じゃなかった」と本土に戻る人たちもまた、かなりの数になります。
さて、とりとめのないことを綴ってみましたが、全てがこうだというわけではありません。沖縄にしっかりと根をおろし、ウチナーのなかで活き活きと過ごされている方もまた、多いんですよ。
ま、私たち夫婦のように、移住者、観光客、ウチナーンチュ、ついでにいえばミヤコンチュにコザンチュ、そして外国人、しかも学生からおじぃおばぁまでと、年齢、性別、出身地など、まったく頓着せず「誰とでも付き合うヘンなヤツら」と、地元の方にも呆れられるタイプは、あんまし居ないかも知れないなぁ~。
ということで本題に戻しましょう。沖縄(移住)ブームについて、あなたはどう思いますか? なぜ沖縄なんでしょう? また、ウチナーンチュの方はどう思っているのでしょう? よろしければ、あなたのご意見をお聞かせくたさい。ご意見送信フォームはこちらです。 ※現在停止中※
【参考記事】沖縄で暮らしたらこうなった
こちらの記事は、移住して1年後の2002年9月、個人的体験を交えて紹介した沖縄生活です。今の状況と少し違う点もあります。例えば、仕事中毒ぶりがまたもやぶり返してます…。
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