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北の生産者を巡る01~中澤ヴィンヤード(2ページ目)

北海道のおいしい「食」を支える生産者に注目するシリーズ。今回は高い評価を得る白ワイン用ブドウの生産者「中澤ヴィンヤード」を訪ねました。取り寄せ情報もありますよ。

執筆者:小西 由稀

余韻が長いふくよかなおいしさ

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▲グラス越しに見えるのは、黄葉したブドウ畑
クリサワブランは、中澤さんの畑で採れたピノ・グリ、ケルナー、ゲヴュルツトラミナー、シルヴァーナの4品種のブドウ100%でつくられていますが、醸造は栃木県の「ココファーム&ワイナリー」に委託しています。ひと品種ごと醸造し、試飲をして、その年のブレンド比率を決めているのだそう。「単一品種の個性を表現するよりも、ブレンドすることで1+1=2以上に広がり、この栗沢の土地の個性をより打ち出せる気がするんです」。

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淡い黄金色のクリサワブラン2007は、香りがふくよか。キリリとした甘味の中に、酸味と苦味が一体となって、旨味が伸びやかに続きます。4品種が醸し出す味と香りの広がり、余韻の長さは、ほかにはない個性。そして、どこかホッとするような飲み心地の良さも感じられました。
「クリサワブランは温度でどんどん変わるワイン。そのニュアンスも楽しんでください」と中澤さん。
この白ワインは、冷やし過ぎずに飲むことをおすすめします。今の時期なら涼しい室温でも十分だと思います。

道産品の定義は、道内で生産または主な加工が行われたもの。厳密にいえば、クリサワブランは道産ワインとは呼べないのかもしれません。その辺を尋ねてみると、「今の自分たちでは、このブドウの力を醸造という形では生かすことができない。それならば、うちのブドウを理解して醸造に向き合ってくれる醸造所に任せるほうがいい」。道内での醸造も考えたそうですが、ココファームとの信頼関係がそれだけ大きいのでしょう。醸造所が中澤さんの思いを汲み取り、栗沢の土地の個性が生きるクリサワブランは、道産のワインと呼ぶにしかるべき。私はそう思いました。
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▲市町村合併で岩見沢市になった旧栗沢町。その地名を残したい思いと、土地の特有の個性=テロワールを表現したい思いから、名前に地名を刻んだ。2400円(お店によって価格は若干異なります)


北海道ではワイン用ブドウの栽培に取り組む生産者が増え、ワイナリーもずいぶんと増えました。冷涼な気候を生かし、ドイツ系の白ワイン品種が主体ですが、温暖化の影響もあるのか、ここ数年はさまざまな白ワイン品種、赤ワイン品種への取り組みも積極的に行われているようです。北海道のワインがますます面白くなりそう!
まずはその可能性を担う生産者のひとり、中澤さんご夫妻のクリサワブランをぜひどうぞ。これからの季節にもおすすめできる白ワインです。生産本数に限りがあるので、お早めに。

お知らせ!(08.11.03追記)
料理専門誌「dancyu」12月号のワイン特集にて、「クリサワブラン」が北海道大賞を受賞! 北海道は現在の日本ワインの注目度ナンバーワン地域と紹介され、クリサワブランは一同驚嘆の見逃せないワインとしてコメントされていますよ。

【中澤ヴィンヤード】http://www.nvineyard.jp/

【クリサワブランを扱っているお店(取り寄せ可能)】
グランヴァンセラー(札幌市)
ワインショップフジヰ(札幌市)
ココファーム&ワイナリー(栃木県)

【クリサワブランを楽しめるレストラン】
ラ・サンテ(札幌市)
サグラ(札幌市)
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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