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いま一番注目を集める街【夕張】を旅する(3ページ目)

財政再建団体となった北海道・夕張市。日本各地から「ゆうばり頑張れ」の声援は聞こえてきますが、せっかくなら現地に行って、食べて、見て、地元の人と話して応援しませんか?

執筆者:小西 由稀

ガイドツアー体験記

ゆうばり観光協会主催のバスツアー「ゆうばり再生ツアー~幸福を求めて~」に参加しました。その模様をリポートします。観光協会では、同様の観光ガイドの実施が可能です。ご参考ください。

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▲晴れるとこんなにキレイ。川が多く、赤い橋がかかる風景は緑の季節も素敵でしょうねぇ…
この日は真冬というのに、雨が降り出す残念なお天気。日ごろの行いが悪いのか…。
やや下がり気味のテンションを上げてくれたのが、ボランティアガイドの絶好調な語り。夕張は山に囲まれ、まちが縦に広がっているため、移動が長いのですが、退屈させない話題の豊富さ。ご存知のように夕張は、高倉健さん主演『幸せの黄色いハンカチ』の舞台となり、吉永小百合さん主演『北の零年』のロケ地になるなど、映画との縁が深いまち。撮影の裏話あり、夕張メロンの話あり、炭鉱で賑わった往時の話あり、財政破綻したまちの様子の説明あり。話が面白いだけではなく、故郷への愛情がにじみ出ていて、聞いていると楽しく温かい気持ちになれるんですよね。

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(右)石炭やストーブの説明をしていただきました(左)すごい火力!イカもすぐ焼けちゃいます
昼食は「北海道物産センター夕張店」へ。ここでは、懐かしい石炭ストーブが待っていました。かつて”黒いダイヤ”と呼ばれた石炭は深い黒色で、まさに宝石のような美しさ。夕張産の石炭は火力が強いため、家庭用ではなく工業用に使われていたそうです。この石炭が北海道の鉄鋼業を支えていたんですねぇ。ストーブの中で炎をまとった石炭を見て納得です。
ストーブで焼いたイカをお昼にいただきました。ストーブで焼くと、どうしてこんなにおいしいんでしょうね。子供の頃(私の時は石炭ではなく、コークスでしたが)に食べたお餅やパン、焼きイモの味が恋しくなりました。2階の食堂で食べたきのこの釜飯もおいしかったですよ。1階のフードコーナーにあった手づくりのあいすシュークリームが気になりつつも、満腹で断念。

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(左)黄色は夕張のシンボルカラー(右)観光シーズンに開放されるロケに使った炭鉱住宅
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清水沢という小さな駅で小休止。甘酒による歓待を受け、温まった後は、「幸福の黄色いハンカチ広場」へ。『幸せの黄色いハンカチ』で使われた炭鉱住宅を保存。住宅の先には、ラストシーンを彷彿とさせる鮮やかな黄色いハンカチがたなびいていました。最高の記念写真ポイント! 高台にあるので、夕張の町並みを広く眺めることができますよ。
観光シーズンは住宅を開放。黄色い紙にメッセージや願い事を書き、家の中に貼るのがお約束になっているそうです。窓越しに見えるメッセージを読むと、まるで絵馬のようにさまざまなことが書かれていました。そうですよね、この映画は願いが叶う究極のラブストーリーですものね。

生憎のお天気で、見ることができなかった箇所もありましたが、夕張のいろんな話が聞けて、やさしさに触れることができて、あっという間の2時間半でした。

1つのまちとじっくり向き合う旅もいいものだなぁと思いました。このGWや夏休みはぜひ、夕張に立ち寄ってみませんか?
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