狐狸庵先生も愛した「日本の北欧」へ
戦後の女性小説家、芝木好子が「秘した湖」と称したのが奥びわ湖(琵琶湖の最北・最深部)。里山に庵を構え、狐狸庵先生と呼ばれた遠藤周作は、群青色に澄んだ奥びわ湖を愛し、ひそかによく足を運んだという。そこは、狐狸庵先生が称したように、まさに「北欧のフィヨルド」のよう。入り組んだ小さな半島の森と、さざ波も立てずにどこまでも澄んだ湖水のバランスは、確かに、喧騒から隠れる身を癒すに相応しい。
竹生島が浮かぶ奥びわ湖を望む丘に、ときどき、狐や狸(猿やカモシカまで!?)が広い前庭を走り抜けるという隠れ宿がある。
広々とした芝生の中にたたずむホテルとヴィラ |
一流企業の高級保養所が変身を遂げた隠れ家ホテルは、まさに現代の「狐狸庵」。スイートを選ぶもよし、野鳥がさえずる林の中のヴィラを選ぶのもよし。
京都や米原から1時間のアクセスは、都会から逃げ出すにもちょうどよい距離だ。
ゲートの先は宿泊者しか入ることができない |
玄関までたどり着くと、そこから先は宿泊者のみ許されたプライベートエリア。インタフォンで名前を告げると、ゲートオープン。花に囲まれた玄関へと車を走らせる。
モノトーンの館内では温泉旅館のようにマイスリッパで寛ごう |
「気取るなら都会のホテルで十分。ここでは、何もかもを解放して欲しい」という思いに甘え、ブーツを脱ぎ、裸足になろう。
ラグジュアリーツイン及びスイートの寝室。シースルーのバスルームもワンボタンでスモークガラスに変身 |
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